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「長夜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

長夜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
れた大きい盤の上には、魚の鰭《ひれ》や獣の股《もも》が山のように積まれてあった。長夜の宴に酔っている王の眼には、酒の池も肉の林ももうはっきりとは見分けがつかない....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
、国貞《くにさだ》の画が二百余枚、虫干《むしぼし》の時、雛祭《ひなまつり》、秋の長夜《ながよ》のおりおりごとに、馴染《なじみ》の姉様《あねさま》三千で、下谷《し....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
人の好悪などをとがめ、旧識同伴の間闊を恨み、生前には名聞の遂げざるを愁え、死後は長夜の苦患を恐れ、目を塞ぎて打臥し居たるは、殊勝に物静かなれども、胸中騒がしく、....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
、待乳山、洲崎なんど、いずれ月見には恰好の場所に宵より待ちあかして、更くるに遅い長夜も早や二時を過ぎ、三々五々たる人影いよいよ群をなして、かかる砌にも思う人は出....
金属人間」より 著者:海野十三
たいおきば》の怪《かい》 死体置場の警戒のために、その部屋に詰めていた警官は、長夜《ちょうや》にわたって、べつに異常もないものだから、いすに腰をおろしたまま、....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
上の蜃気楼。 曰く。すでに天へ届いている現代バベルの架空塔。 また曰く。世紀長夜の宴を一手に引き受けて疲れない公休市。 詩情と俗曲と秋波と踊りと酒と並木と....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
|考・略解に従った。 ○ あしひきの山鳥の尾の垂り尾の長き長夜を一人かも宿む 〔巻十一・二八〇二〕 作者不詳 この歌は、「念へども念ひも....
夜長姫と耳男」より 著者:坂口安吾
いほど痛むものだ。オレは泣き泣きノミをふるッていたが、泣き泣き眠ることができない長夜の苦しみよりも、泣き泣き仕事する日中の凌ぎよいことが分ってきた。折からの満月....
風博士」より 著者:坂口安吾
決意をかため、鳥打帽に面体を隠してのち夜陰に乗じて彼の邸宅に忍び入ったのである。長夜にわたって余は、錠前に関する凡そあらゆる研究書を読破しておいたのである。その....
著作権の問題」より 著者:伊丹万作
著作権の問題 伊丹万作 社会の各層に民主化の動きが活溌になつてくると同時に、映画界もようやく長夜の眠りから覚めて――というとまだ体裁がよいが、実はいやおうなしにたたき起され....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
花のにぎはひ」北陸絵画共進会出品(一等賞)「虫の音」日本美術協会出品(三等賞)「長夜」文展第一回出品(三等賞) 同 四十一年 「月かげ」文展第二回出品(三等賞)....
死の接吻」より 著者:小酒井不木
に就て、論語しか知らない某実業家は、生殖腺ホルモンの注射を受けながら、「日本人の長夜の夢を覚醒させるために、天が警告を発したのだ」という、少しも意味をなさぬこと....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
十一月十八日より一月二十三日までは太陽を見ることなし。しかして冬期二カ月間以上の長夜は、電灯をもって日光に代う。冬中の寒気は厳なることもちろんなれども、ロシア、....
五重塔」より 著者:幸田露伴
どっと起って、斧をもつ夜叉矛もてる夜叉餓えたる剣もてる夜叉、皆一斉に暴れ出しぬ。長夜の夢を覚まされて江戸四里四方の老若男女、悪風来たりと驚き騒ぎ、雨戸の横柄子し....
雷門以北」より 著者:久保田万太郎
こに、その榎の下に、いつも秋早くから焼栗の定見世の出ることが、虧けそめた月の、夜長夜寒のおもいを一層ふかからしめた。――「仲見世」というところはときにそうした景....