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長居
「長居〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
長居の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
れを下においた。彼はいいかげんな世辞はいえないらしかった。
岡は始めて来た家に
長居《ながい》するのは失礼だと来た時から思っていて、機会あるごとに座を立とうとす....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
んこ》こと喰らいていがか」
女を待ちうけている仁右衛門にとっては、この邪魔者の
長居しているのがいまいましいので、言葉も仕打ちも段々|荒《あら》らかになった。
....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
じゃ。お身が先刻あちらの亭へゆけと言われたは、その謎か。それを悟らで、うかうかと
長居したは、われらの不粋《ぶすい》じゃ。ゆるしてくだされ」 相手の心をさぐるつ....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
ら遊びにきてとまで無茶を云うた僕が、今日はとてもそんな訣のものでない。民子が少し
長居をすると、もう気が咎めて心配でならなくなった。 「民さん、またお出《いで》よ....
「獏鸚」より 著者:海野十三
暁団の秘密も一瞬にガス体にするつもりだった。……さあ出よう。もうこんなところには
長居は無用だ」 帆村は私を促して外へ出た。 外には鮮かな若葉が、涼しい樹蔭を....
「流線間諜」より 著者:海野十三
いつ危急を聞きつけて、決死的な新手の団員が殺到してくるか分らない。それを思うと、
長居は頗る危険だった。 それにも拘らず、折角目の前に望みながら、どうにも手のつ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
かす前に、こっちがあいつらを取っつかまえてやるぞ」 しかし、私たちはこの座敷に
長居することはできなかった。実際どの部屋も湿っぽくて寒いので、わたしは二階の火の....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
。それらはもちろん、大いに人を惹くの力はあったが、単にそれだけのことでは、そこに
長居をする気にはなれない。僕は鱒の捕れる時節に招待されたのであるが、まず初夏の時....
「木曽の旅人」より 著者:岡本綺堂
をしかめた。 「仕様がねえ。弥七、お前はもう犬を引っ張って帰れよう。」 「むむ、
長居をするとかえってお邪魔だ。」 弥七は旅人に幾たびか礼をいって、早々に犬を追....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
ばにいる者共、迂濶に立ち騒ぐとは何たることじゃ。就いては小坂部。いつまでもここに
長居もなるまい。家来どもに申し付けて館まで送らしょうか。」 「いえ、それには及び....
「正月の思い出」より 著者:岡本綺堂
どを引き受けてくれるところはない。電報を受け取って駆けつけて来た人々も大晦日では
長居は出来ない、一通りの悔みを述べて早々に立去る。遺族と近親あわせて七、八人が柩....
「画工と幽霊」より 著者:岡本綺堂
も大抵推察された。で、そう事が解って見ると、私は猶々怖く恐しく感じて、迚もここに
長居する気がないから、其日の中に早々ここを引払って、再び倫敦へ逃帰る。その仔細を....
「活人形」より 著者:泉鏡花
ず八蔵が何とかして便を得て、前に奪い出だせるならん。さすれば我はこの家に用無し。
長居は無益と何気無く、「これは、怪しからん。ふとすると先刻遁失せた悪漢が小戻して....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
せぬようにと執事やその他の者にまで注意しておきました。それに新生寺さんは平常余り
長居はせず、鎮魂が終ると直きに帰って行くようでした。私は彼がそこになお坐っていよ....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
か、女中をはらませ、世間に顔むけできず、水原まで流れてきたものらしい。こうなれば
長居は無用である。私は早々に礼をいって大連に渡るべく平壤の西方の港、鎮南浦に向け....