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「長年〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

長年の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
思った。倉地と関係がなかったころはいつでも一人で寝ていたのだが、よくもそんな事が長年にわたってできたものだったと自分ながら不思議に思われるくらい、それは今の葉子....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
想《あいそ》を尽かして、以来は道で遭《あ》おうとも唾《つば》もしかけんな。しかし長年の贔屓であってみれば、まず愛想を尽かす前に十分勧告をして、卑怯《ひきょう》千....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
ずだし、第一|椋鳥と塒を賭けて戦う時の、雀の軍勢を思いたい。よしそれは別として、長年の間には、もう些と家族が栄えようと思うのに、十年一日と言うが、実際、――その....
婦系図」より 著者:泉鏡花
て、慇懃に手を支いて、 「まあ、よくいらっしゃいました。」 「はい、」とばかり。長年内に居た書生の事、随分、我儘も言ったり、甘えたり、勉強の邪魔もしたり、悪口も....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
それでこの鉱物が地球内部から放出された灼熱した質塊から形成されて以来、これだけの長年月が経過したということになるのである(『宇宙の成立』三八頁参照)。 急激な....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
に戦っております。それでも、まだどうも真の国民皆兵にはなり得ない状況であります。長年文を尊び武を卑しんで来た漢民族の悩みは非常に深刻なものでありますが、この事変....
映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
はない。 なぜ今回に限ってかかる実例を作り得たかといえば、それは一には各社とも長年にわたる監督・俳優争奪戦に疲労し倦み果てた結果である。元来引抜きという語の持....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
った形だ。」 と真顔で言う。 「飛んだ事をおっしゃりませ、田舎でも、これでも、長年年期を入れました杉山流のものでござります。鳩尾に鍼をお打たせになりましても、....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
懸けずもまた類なく美しいものであった。 膚を蔽うに紅のみで、人の家に澄まし振。長年連添って、気心も、羽織も、帯も打解けたものにだってちょっとあるまい。 世間....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
もとよりの事、門、背戸へ姿を見せず、座敷牢とまでもないが、奥まった処に籠切りの、長年の狂女であった。――で、赤鼻は、章魚とも河童ともつかぬ御難なのだから、待遇も....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
とも、賢之助は可愛くッてなりません。ただ心にかかりますのはそれだけですが、それも長年、貴下が御丹精下さいましたお庇で、高等学校へ入学も出来ましたのでございますか....
歯車」より 著者:芥川竜之介
スに違いなかった。僕は何か救われたのを感じ、じっと夜のあけるのを待つことにした。長年の病苦に悩み抜いた揚句、静かに死を待っている老人のように。…… 四....
取舵」より 著者:泉鏡花
か。」 「何を?」 「いや、よし、それから。」 「これはどういう事実だと聞くと、長年この渡をやッていた船頭が、もう年を取ッたから、今度|息子に艪を譲ッて、いよい....
註文帳」より 著者:泉鏡花
で贔屓にして、五助のでなくッちゃあ歯切がしねえと、持込んでくんなさるもんだから、長年居附いて、婆どんもここで見送ったというもんだ。先の内もちょいちょい紛失したこ....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
世界を相手とし東亜の天地に於て持久戦争を行ない、戦争を以て戦争を養う主義により、長年月の戦争により、良く工業の独立を完うし国力を充実して、次いで来るべき殲滅戦争....