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長恨
「長恨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
長恨の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
の眼には更に一段のあでやかさを加えたようにも見られた。彼が好んで口ずさむ白楽天の
長恨歌の「梨花一枝春帯雨《りかいっしはるあめをおぶ》」というのは、まさしくこの趣....
「振動魔」より 著者:海野十三
ばかりの呉子さんが、早や墨染の未亡人という形式に葬られて、来る日来る夜を、寂滅と
長恨とに、止め度もない泪を絞らねばならなかったことだった。 身寄りのすくない呉....
「魚玄機」より 著者:森鴎外
甫が出て、天下の能事を尽した後に太原の白居易が踵いで起って、古今の人情を曲尽し、
長恨歌や琵琶行は戸ごとに誦んぜられた。白居易の亡くなった宣宗の大中元年に、玄機は....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
に枯葉を撒ず。珊瑚枕頭呼べども応えずだ。涙|滂沱として万感初めて到った呉青秀は、
長恨悲泣遂に及ばず。几帳の紐を取って欄間にかけ、妻の遺物を懐にしたまま首を引っか....
「源氏物語」より 著者:紫式部
覧になるものは、玄宗《げんそう》皇帝と楊貴妃《ようきひ》の恋を題材にした白楽天の
長恨歌《ちょうごんか》を、亭子院《ていしいん》が絵にあそばして、伊勢《いせ》や貫....
「源氏物語」より 著者:紫式部
夫人といっしょに絵を見分けた。古い絵に属する物と現代的な物とを分類したのである。
長恨歌、王昭君などを題目にしたのはおもしろいが縁起はよろしくない。そんなのを今度....
「田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
なく寝ころんでいたの。そしてね、おっ放《ぽ》り出した本を引きよせて見ると、大好な
長恨歌《ちょうごんか》の、夕殿蛍飛思悄然という句が、すぐあったじゃないの。だから....
「作画について」より 著者:上村松園
も基礎ともなったものでした。 ですから皆それぞれ漢学の塾へ通い、長尾雨山先生の
長恨歌などのお講義はよく聴いていたものでした。 また、寺町本能寺にも漢学の研究....
「芙蓉の花にも似た美しい楊貴妃を」より 著者:上村松園
います。 詩集はかなり繙きましたが白楽天のは殊に愛誦して居りましたし中でもこの
長恨歌には深い懐かしみを持って居りました。何時か一度はそれを描いてみたいと思って....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、遂に、海上の蓬莱宮中にその花貌雪膚の仙子を見出して、帝の意をつたえたというあの
長恨歌の中にある、貴妃の驚愕と喜びの章が――そのまま自分のことでもあるように、お....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
梨花一|枝春帯雨 「…………」 客の佐渡は、白楽天の一句を想い起し、そして
長恨歌にうたわれた楊貴妃と漢王との恋など、声なき嗚咽を聞く心地がしていたが――ふ....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
し去っているものであろう。 「春風桃李云々――」の二行は、有名な白楽天の長篇詩“
長恨歌”の中の一章句である。
長恨歌は、唐の玄宗皇帝とその寵姫|楊貴妃との情事を歌....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
侍者とのあいだも、仏者的|口吻の聖教そのまま、つまり原作者の該博な仏典の演繹と、
長恨歌や左伝春秋などに影響された文体そのもので終わっている。いやそれなるがゆえに....