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長持ち
「長持ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
長持ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ちすると、多吉は心得てすぐに出て行った。 それから三日目である。花どきの癖で、
長持ちのしない天気はきのうの夕方からなま暖かく陰って、夜なかから細かい雨がしとし....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
帰るのを待っていた。 「親分、天気がまた怪しくなって来ましたね」 「むむ。どうも
長持ちがしねえので困ったものだ。また泣き出しそうになって来た」 云いながら不図....
「ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
うん唸るような声が聞こえるのですって、気丈なおかみさんと見えて押入れを開けると、
長持ちの中で人が唸っているようなので家政婦と二人で恐々開けると、現在のご亭主が後....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
ろを顔を洗はせて連れてきたといふ感じ、まだしも玉川関の豪快なお酌の方がお客の尻を
長持ちさせる様子であるから 「よした、よした。あなたはお帰り。料理屋は病院ぢやな....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
常務のガンコ信心ときちゃ、会社だって、諦めてるんだからな。箱根なら箱根、一ツ処に
長持ちしてくれりゃ、ボクら、かえって仕事がしいいや。間宮さんにノブちゃんにボクと....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ば希望がなくなったわけではない。長命の望みなしと二十で嫁をもたせた清作は案外にも
長持ちして、すでに三十であるが、まだ何年かは持ちそうだ。現に二人の孫を失うと殆ど....
「わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
て、否応なく野山にまどろむことになつても、観音様の縁の下のルンペンの次ぐらゐには
長持ちがするだらうと思つたのである。まつたく、どうも、ひどいものだ。エゴイズムと....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
右門流です。たいていの捕方《とりかた》だったら、品物が品物だからおそらくたんすか
長持ちといったような貴重品の入れてある家財道具に着目すべきところを、右門は例のご....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
。それから、これも同じご紋染めたる袋をかむせた長柄がさ、つづいて茶弁当を入れたお
長持ち、それに毛鞘《けざや》巻いたるお供槍《ともやり》――。 「エイホウ。エイホ....
「議会見物」より 著者:佐藤垢石
麗句に満ちていて、さっぱり内容のなかったことだ。失礼であるが、そのとき、これでは
長持ちはしないという印象を受けたのである。 今年は、二月の五日に、小山議長が不....
「家」より 著者:島崎藤村
どうしていることやら……」 「やはりその女と一緒でしょうか」 「どうせ、お前さん
長持ちがせすか――御金が無くなって御覧なさい。何時までそんな女が旦那々々と立てて....
「映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
年を越えることはむつかしい。こういう短命なものを批評するのと、彫刻や油絵のような
長持ちのするものを批評するのとでは、批評の骨の折れ方もちがうわけである。一週間映....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
く不器用であったが、しかしその修理法がいかにも合理的で、一時の間に合わせでなくて
長持ちのするような徹底的のものであるのに感心した。その歯医者が、治療した歯の隣の....
「ステッキ」より 著者:寺田寅彦
。もっともステッキに限らず大概の国産商品がそうであり、ちゃんとした器械類でさえも
長持ちのするのは珍しい。ステッキが用のない人のぜいたく品ならば、なるべく早くいけ....
「亮の追憶」より 著者:寺田寅彦
道の師範のような事をやっていて、そのころはかなり家運が隆盛であったらしい。竹刀が
長持ちに幾杯とかあったというような事を亮の祖母から聞いた事がある。 亮の父すな....