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「長者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

長者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十円札」より 著者:芥川竜之介
た。しかし敬意を抱いているのは語学的天才のためばかりではない。粟野さんはいかにも長者《ちょうじゃ》らしい寛厚《かんこう》の風を具《そな》えている。保吉は英吉利語....
尼提」より 著者:芥川竜之介
は臣下のように礼拝《らいはい》すると言うことだけである。あるいはまた名高い給孤独長者《きゅうこどくちょうじゃ》も祇園精舎《ぎおんしょうじゃ》を造るために祇陀童子....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
大きな声を出して、「やあ失敬」と声をかけた。 本間さんは何だかわからないが、年長者の手前、意味のない微笑を浮べながら、鷹揚《おうよう》に一寸《ちょっと》頭を下....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
うに、思兼尊《おもいかねのみこと》だの手力雄尊《たぢからおのみこと》だのと云う年長者《ねんちょうじゃ》に敬意を払っていた。しかしそれらの尊《みこと》たちは、格別....
将軍」より 著者:芥川竜之介
《ばんしゃく》の酔《よい》を感じていた。 「それは偉い軍人だがね、閣下はまた実に長者《ちょうじゃ》らしい、人懐《ひとなつ》こい性格も持っていられた。……」 少....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
年にも、ちょっと来て二羽三羽、五、六羽、総勢すぐって十二、三羽より数が殖えない。長者でもないくせに、俵で扶持をしないからだと、言われればそれまでだけれど、何、私....
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
ちに父は果たして石塔の主人となられた。一村二十余戸八十歳以上の老齢者五人の中の年長者であるということを、せめてもの気休めとして、予の一族は永久に父に別れた。 ....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
向うの小沢に蛇が立って、 八幡長者の、おと娘、 よくも立ったり、巧んだり。 手には二本の珠を持ち、 足には黄金....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、吉原がえりの外套を、今しがた脱いだところ。姓氏は矢野|弦光で、対手とは四つ五つ長者である。 さし向って、三馬とトルストイをごっちゃに饒舌る、飜訳者からすれば....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
知らしゃらぬ。主としたものは何ということぞいの。 このさきの浜際に、さるの、大長者どのの、お別荘がござるてよ。その長者の奥様じゃわいの。」 「それが御建立なさ....
ルネ・クレール私見」より 著者:伊丹万作
ば「ル・ミリオン」である。「幽霊西へ行く」である。 「自由を我等に」「最後の億万長者」のほうを上位に置く人々は、彼の本質を知らぬ人であり、その諷刺を買いかぶつて....
遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
を東都に聞いて、転寝の夢を驚かさる。 白望の山続きに離森と云う所あり。その小字に長者屋敷と云うは、全く無人の境なり。茲に行きて炭を焼く者ありき。或夜その小屋の垂....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
さえ鏤めて肉置の押絵にした。…… 浄飯王が狩の道にて――天竺、天臂城なる豪貴の長者、善覚の妹姫が、姉君|矯曇弥とともに、はじめて見ゆる処より、優陀夷が結納の使....
式部小路」より 著者:泉鏡花
う、千年も二千年も三千年も少かろう。 ただ我々に取っては、これを渡初めした最年長者より、もっと老朽ちた橋であるから、ついこの居まわりの、砂利場の砂利を積んで、....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
悔悛めさせて、切めては世間並の真人間にしなければ沼南の高誼に対して済まぬから、年長者の義務としても門生でも何でもなくても日頃親しく出入する由縁から十分訓誡して目....