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長虫
「長虫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
長虫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
中《らくちゅう》で評判だったのは、この御姫様ともう御一方、これは虫が大御好きで、
長虫《ながむし》までも御飼いになったと云う、不思議な御姫様がございました。この後....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
ころでぬらぬらとやられてはおよそ五分間ぐらい尾を出すまでに間《ま》があろうと思う
長虫と見えたので、やむことをえず私《わし》は跨《また》ぎ越した、とたんに下腹《し....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
しい声で今、千萩が話をした相手も、そのへびなのでした。お櫃の中の正体も、またその
長虫なのでした。 へびを飼う娘! へびと話をする娘! 意外な秘密を隠してい....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
てやられたぞッ」 「えッ! では、では、娘をかたり取るために、そんな気味のわるい
長虫を使ったのじゃとおっしゃるのでござりまするか」 「決まってらあ。小へびのうち....
「高島異誌」より 著者:国枝史郎
、ハッと思う暇も無く吉丸の足へ巻き付いた。 「あっ」 と驚いた笹千代は、自分も
長虫を嫌う所から、消魂く人を呼び乍ら、一間余りも飛び退ったが、どぶんという水音に....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
店前に、石つぶてを投げる者さえあるというはなし――長崎屋も、黙ってはいまい。あの
長虫のような執拗《しつよう》さで、広海屋に噛みついてゆくであろうが、それを相手が....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
鰻だった。 「あ、びっくりした。足の裏がぬるっとして滑りそうだったから、てっきり
長虫だろうと思ったが……。」私は後から来る連の男に呼びかけた。「何だってまた、鰻....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
の顔を熟と視て、それから横穴へ入って隠れるって言います。 そのくらい念の入った
長虫ですから、買手が来て、蛇屋が貯えたその大瓶の圧蓋を外すと、何ですとさ。黒焼の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
《つらにく》くなるくらいのものでありました。米友は手に持っていた棒をさしのべて、
長虫でも突くような手つきで、下駄の鼻緒の切れ目へそれを差し込みました。 前後と....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
れなる蟇《がま》は、江戸より東南、海路行程数十里、伊豆の出島十国峠の産にして……
長虫は帯右衛門と名づけ、がまは岩太夫と申しまする。東西東西! まアずは帯右衛門に....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
沼の中へ入って行った。 しかし数間とは歩けなかった。水が首まで彼を呑んだ。蛭、
長虫が彼を目指し、四方八方から泳ぎ寄って来た。 「助けてくれーッ」と悲鳴を上げ、....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
棟蛇《やまかがし》が這いだした。 江戸の生れで、下町で育ったお年という女中は、
長虫《ながむし》ときたら、もう、ひとたまりもない。かばうはずのやつが、お小夜の背....
「春心」より 著者:田中貢太郎
ころであった。それは三尺近くもある青黒い中に粉のような丹い斑点のある尻尾の切れた
長虫であった。広栄は眼を放さなかった。 「それじゃ、明日は雨だな」 「そうでござ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
んと噴き出した温い血汐! 船床のかしいでいるままに、数条の黒い血の条が、生ける
長虫かのごとく一散にほとばしってきた。 たしかに感じられた手応え、存分な抉りを....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
を用いる例も稀ではなかった。たとえば阿波の鷲敷で、「香の口やき」と称し、この日|
長虫の入らぬ呪いとして、灰を家の周囲に撒いていたなども、他の地方で節分の日に行う....