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長蛇
「長蛇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
長蛇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「特許多腕人間方式」より 著者:海野十三
い、あーあ。 5 ×月×日 曇り、また雪ちらちら。 本日も出勤。
長蛇逸したる如き金一百円の成功報酬を、今日も机の前に坐って、残念がること、例の如....
「蠅男」より 著者:海野十三
村の奇襲作戦も蠅男の超人的腕力に遭ってはどうすることも出来ず、遂に闇の中に空しく
長蛇を逸してしまった形だ。さて今や怪物蠅男は何処に潜んで居るのだろう? 唯一つ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
上野駅前へかけて焼け残っている。他に人家を見ず。 ◯二時間半歩いて上野駅へ達した
長蛇のような女工さんの群あり、集団引越だそうな。 三月二十一日→二十六日 ◯朝....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
ムナードの人種になって、特に銀座以外には見られぬ人種になって、上品で綺羅びやかな
長蛇のような帯陣をなして流れて行く。 「やあ」 「よう!」 「うまくやってる」 ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
、ともかくその道をゆくことにした。 二百の荷担ぎ――それに、車や家畜をふくめた
長蛇の列が、イギリス駐屯軍の軍用電線にそうて、蟻塚がならぶ広漠たる原野を横ぎって....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
起した。兵は物言わず馬は舌を縛して嘶くを得ざらしめた。全軍粛々妻女山をくだり其状
長蛇の山を出づるが如くして狗ヶ瀬をわたった。時正に深更夜色沈々只鳴るものは鎧の草....
「田原坂合戦」より 著者:菊池寛
木留方面に陣した。野出、太田尾、三ノ嶽、耳取の天険は遙かに田原、山鹿に連絡して、
長蛇の横わる如き堅陣は、容易に破り難く見えた。戦備を了った官軍は、月が変って三月....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
次に十九間久留米藩、次百九十三間佐賀藩、次四十間唐津藩、次三百間は松平忠之兄弟、
長蛇の陣はひしひしと原城をとり囲んだのである。信綱、氏鉄並に、板倉重矩等は中軍を....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
には群像の如き三十余騎の姿が、敵軍に遠く囲まれながら茫然として立ちすくんで居る。
長蛇を逸した気落ちが、激戦三十余合で疲労し切った身体から、総ての気力を奪い去って....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
た。 「彼等幾多の犠牲的青年によって、遂に成功するに至った延々何百|哩の鉄道は、
長蛇の如く野を走り、山を貫き、昨日までの蛮地は、かくして国富と変ったのであります....
「十万石の怪談」より 著者:佐々木味津三
鳴らし、法螺の音を空高く吹き鳴らし乍ら、二|旒の白旗を高々と押し立ててザクザクと
長蛇のごとく勇ましげに進んでいった。 それをお物見櫓の上から見おろし乍ら、悦ば....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ゃ、蟹か。」 水へ、ザブン。 背後で水車のごとく杖を振廻していた訓導が、 「
長蛇を逸すか、」 と元気づいて、高らかに、 「たちまち見る大蛇の路に当って横わ....
「出家物語」より 著者:坂口安吾
ものに菜ッパをまぜてカキまわして煮た奴を山とつんでおくと幾山つんでも売りきれる、
長蛇の行列、財布などというものは半日の売上げを入れるにも役に立たず、お札というも....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
、散歩を許されて、ほかに行く場所もないので、再三後楽園へ野球を見物に行った。私は
長蛇の列にまじって行列しながら、オレが精神病者であることはハッキリしているが、ほ....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
たがえて、暗褐色の一直線の水流は海面上数米の高さにモックリとはるか水平線に向って
長蛇の如くに突入している。遠く沖合に、荒波がこの防波堤に突き当って、噴騰し、山と....