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長追い
「長追い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
長追いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
であった。彼は吉五郎らに追われて、墓場の奥に逃げ込んだが、留吉が途中で倒れた為に
長追いをしないと見て、そっと庫裏《くり》へまわって、寺男に縄を解かせた。しかも迂....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
がねえ。まあ打っちゃって置け」 「あい」と、亀吉は渋々に別れて行った。 あまり
長追いをするほどの事件でもないと思ったが、かれの性分としてなんでも最後まで突き留....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
よ」と、中間は大きい眼をひからせて云った。「一羽でよせばよかったのを、もう一羽と
長追いをしたのが運の尽きだ。おれは軍鶏屋の廻し者じゃあねえ、そこら中の鶏を取って....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
対しては私通なる旨主張していたようでした」 能勢弁護士はこゝに質問を打切った。
長追いは無用である。今の証人の答弁で暴行云々と云う事が小林兄弟に於てさ程問題にさ....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
気勢に乗った七福神組は、追い討ちに後を追っかけたが、心配したのは松代である。 「
長追いするな! 引き上げろ! 集まれ集まれ、一所へ!」 しかし足音や喊声や、太....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
見ると彼等は胆《きも》を奪われ、パッと逃げ散ってしまったが、切って出でた侍たちは
長追いをせずに、そのまま門の中へ引込んでしまいました。一旦逃げ散った穢多どもは、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ありそうなことです。 そんなようなわけで、七兵衛もいいかげんに見切りをつけて、
長追いをしなかったものと見えます。 しかし、前後の行きがかりから、薩摩屋敷なる....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れば、この地にとどまって、何か、あいつ相当の謀叛《むほん》を企てる、もうこの上は
長追いは無益である、あのやくざがこの界隈に出没しているということを基調として調べ....
「近藤勇と科学」より 著者:直木三十五
、塀の中へ、隠くれてしまった。そして、銃声が、硝煙が、激しくなった。 「伏せっ。
長追いすなっ」 走って行った七八人の半分は、軒下へ逃込み、半分は倒れて、よろめ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
り討ちは見たようなものだ――と知っている秋山要介は、驚いて大音に呼び止めた。 「
長追いなさるな! お引き返しなされ! またの機会をお待ちなされ」 しかし何のそ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ようになりますから直ぐ気を取直します。また案外うまく行ったからとて、調子に乗って
長追いをしません。あるいはまた、自分の気持ちとしてどうしてもやり進まなければなら....
「三国志」より 著者:吉川英治
か」と、四角八面に分れ討った。 徐晃の手勢も、ぜひなく後から続いて出たが、 「
長追いすな、
長追いすな」と、大声で止めてばかりいた。 すると、長い堤の蔭から、....
「三国志」より 著者:吉川英治
見て、黄忠に向い、 「日もすでに暮れ落ち、軍勢の疲労もますますつのるばかりです。
長追いは無用かと思いますれば、このあたりにて、一応軍を留めては如何ですか」といっ....
「三国志」より 著者:吉川英治
って追ってきたら、朕みずから精鋭を伏せて、これを討つ。敵に計ありと覚れば、うかと
長追いはして来ないだろう」 諸将は、それこそ帝の神機妙算なりとたたえた。けれど....
「四谷、赤坂」より 著者:宮島資夫
――っ』という叫びと共に一列の巡査が突貫して来た。群集は両側に散らばった。巡査は
長追いをしないで元に戻った。幾度も同じ事が繰返されている中に、誰がやったか、薪屋....