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長逗留
「長逗留〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
長逗留の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
まで御厄介になるといって、亭主の顔に暗いかげをなげた。正直な亭主は彼のためにその
長逗留を喜ばなかったのである。治六が下へ降りて来たのをつかまえて、亭主は不安らし....
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
は、今朝《こんちょう》支配|頭《がしら》から改めて触れ渡された。この上はしょせん
長逗留は相成るまい。遅くも来月の十日頃までには、一同京地を引き払うことになるであ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ん引き受けた上は、どこまでも世話をするという顔つきでいてくれたが。こんなに半蔵も
長逗留で、追い追いと懐の寒くなったところへ、西の方からは尾張の御隠居を総督にする....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
お槇が代筆した母お民からの手紙でも読み、弟宗太も西|筑摩郡書記の身でそう馬籠での
長逗留は許されないとあって、木曾福島の勤め先へ引き返した時のじきじきの話にも聞い....
「家」より 著者:島崎藤村
倉の両親に隠すようにして金をつくることを考えた。 ※の兄と連立って、名倉の母が
長逗留の東京を去る頃は――三吉は黙って考えてばかりいる人でもなかった。「随分、父....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
りしが、亭主は元は侍で、如何なる事か足の疵の痛み烈しく立つ事ならず、一日々々との
長逗留、遂に旅用をも遣いはたし、そういつ迄も宿屋の飯を食ってもいられぬ事なりとて....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
えど大丈夫青雲の志|此時伸べしと殊に血気の雀躍して喜び、米国より欧州に前後七年の
長逗留、アヽ今頃は如何して居おるか、生れた子は女か、男か、知らぬ顔に、知られぬ顔....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
子です。お一ついかが……そういってどうかすると、お客にお酌をした事もあるんです。
長逗留の退屈ばらし、それには馴れた軽はずみ……」 歎息も弱々と、 「もっとも煩....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
。病みつきましたのは、雪にござった、独身の御老体で。…… 京阪地の方だそうで、
長逗留でござりました。――カチリ、」 と言った。按摩には冴えた音。 「カチリ、....
「女心の強ければ」より 著者:豊島与志雄
ですか。何にもおかまいもしませんで……。」 善良なお上さんは、一晩泊りの客にも
長逗留の客にも、同じような態度なのだ。 柿沼がたってしまうと、別館は以前通りの....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
そ風景を解するたちではないのだが、なんとなく詩人みたいにシンミリして、だらしなく
長逗留をつづけることになってしまった。 ★ 私の家には婆や....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
の一に答えるだけのひまもなかった。 これまでわたしたちはけっしてとちゅうの町で
長逗留をすることはなかった。なぜというに、しじゅう見物をかえる必要から、しぜん毎....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
もこの島へ稼ぎに出たということだが、それは後日の話。昇龍丸の乗組員は偶然その地に
長逗留して、徒然なるまゝに、真珠採取事業をつぶさに見学するに至った。 船長の畑....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
さか気色ばみ、 「わしは、まだ職権をもつていうわけじやないですが、当てのない金で
長逗留をするのは、あとで悶着の種になる……」 と、増田が言いかけると、 「職権....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
西大寺を出立したばかりで」 「へえへえ、左様で御座りまするか」 「我等三人。チト
長逗留を致すかも知れぬが。好いか」 「有難う御座りまする」 「いやそう早く礼を云....