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門外不出
「門外不出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
門外不出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
行なわれた。蔵書家に就いてその蔵書を借り出して来るのである。ところが、蔵書家には
門外不出を標榜している人が多く、自宅へ来て読むというならば読ませてやるが、貸出し....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
を思わせる動機不明の変死事件があり、それに加えて、当主|旗太郎以外の家族の中に、
門外不出の弦楽四重奏団を形成している四人の異国人がいて、その人達が、揺籃の頃から....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
次がこの腕に覚えの居合い手品を始めたのだった。 千浪は喜んで、一種独特、法外流
門外不出の坐り方を大次郎に教わって、この相手を勤めることになったわけ。 もはや....
「惜別」より 著者:太宰治
、見るからにむさくるしい一介の貧書生に、こころよく紹介状をしたためてくれ、また、
門外不出の大事な資料を自由に閲覧させて下さった皆さんの御好志のほどは忘れ難い。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、御列席のうちにも名のみ聞いて実を見んと思わるる向きが少なからぬことと推察致す。
門外不出とも言うべきこの品を、この席に限りて一見致すことは仕合せ、充分の御鑑定を....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
……」
「イヤ、かのこけ猿の茶壺は、茶道から申して名物は名物に相違ござるまいが、
門外不出と銘うって永代当家に伝わるべきものとしてあったのは、さような仔細ばなしご....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
か。極めて微妙なところであると思います。この間の消息はスウィート・ホーム(!)の
門外不出に属すわけでしょう。冬シャツのこと、それからもう一組の袷と羽織、おうけと....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
か楽しい病臥生活です。スエコもあれではにかみやだものだから、音楽論等と云うものは
門外不出ですが、こっそりもらす処をきけば、相当に目がつんでいて下等品ではありませ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
かえしてみると思いあまった言葉足らずの詩をつくりました。まだ一人歩きが全く出来ず
門外不出の生活で。 一年経って、一日のくらしかたを思いくらべると、丈夫になった....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
流連、帰るを忘れるような無頼の生活にふけることも多い。そういう時の借金で、数ヶ月
門外不出の勤労も、今もって客人用のフトン一枚買うことができなくなってしまうのであ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
世間の噂が正しいことをたしかめていた。 千頭家では息子の成人に当って、先祖伝来
門外不出の言い伝えを語りつぐことになっている。その語り伝えられるものが何事である....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
兵道のために、又、老師の御所信に反きまするが、当兵道は、島津家独特の秘法として、
門外不出なればこそ重んぜられまするゆえ、御当家二分して相争う折は、正について不正....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
京小石川のモミヂという対局場の旅館に集合して、その晩から対局の終るまでまる四日間
門外不出カンヅメになる規定になっていた。 このカンヅメは呉清源からの申出による....
「読書雑感」より 著者:岡本綺堂
とが行われた。蔵書家に就てその蔵書を借り出して来るのである。ところが、蔵書家には
門外不出を標榜している人が多く、自宅へ来て読むというならば読ませて遣るが、貸出し....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
にいる知恵のけちんぼである。 「この問題はあの先生に聞かねば分からない」 「彼は
門外不出の古文書を持っている」 「彼の急死によって、この技術の秘密は墓に埋められ....