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門番
「門番〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
門番の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春の夜」より 著者:芥川竜之介
ら、「何です、失礼な。あたしはこの屋敷のものですから、そんなことをおしなさると、
門番の爺《じい》やさんを呼びますよ」と言った。
けれども相手は不相変《あいかわ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
いまだ》に兵衛は見えなかった。喜三郎はいら立って、さりげなく彼の参詣の有無を寺の
門番に尋ねて見た。が、
門番の答にも、やはり今日はどうしたのだか、まだ参られぬと云....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
う》と云う老人でしたが、ちょうど朝の御勤めをしていると、これも好《い》い年をした
門番が、捨児《すてご》のあった事を知らせに来たそうです。すると仏前に向っていた和....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
いる。その上、職業もやはり、記録によってちがう。イエルサレムにあるサンヘドリムの
門番だったと云うものもあれば、いやピラトの下役《したやく》だったと云うものもある....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
ながら用意した綱で道路に降り立った。 空も路も暗かった。三人はポルタ・ヌオバの
門番に賂して易々と門を出た。門を出るとウムブリヤの平野は真暗に遠く広く眼の前に展....
「地球盗難」より 著者:海野十三
。 彼は幅の広い階段をトコトコと下りていった。そしてやがて真暗な館外に出ると、
門番岩蔵の小屋の方へと歩いていった。 「大隅さん。何かおりましたか」 と、岩蔵....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
うれしそうに話し続けた。 それからみんなはどやどや門の方に走って行ってとうとう
門番を嚇しつけて、先頭の十幾人だけが、いったん門外に出たのだそうだが、やがてまた....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
。あのさきへ矢羽根をつけると、掘立普請の斎が出るだね。へい、墓場の入口だ、地獄の
門番……はて、飛んでもねえ、肉親のご新姐ござらっしゃる。」 と、泥でまぶしそう....
「橋」より 著者:池谷信三郎
は刑務所という字は見つからなかった。同乗の女がいきなり大声に笑いだした。年老った
門番の老人が、悲しそうな顔をして、静かに門を開けた。錆びついた鉄の掛金がギイと鳴....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
たもの言いをしながら夫人はぐっと神経質になって、新吉が帰ろうと立上りかけるときに
門番がわざ/\此所まで届けて来た日本からの手紙を見ると、差出人は誰だかとくどく訊....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
小耳に挟んだ言の端にも、深い様子があるのかも知れぬ。……土地の神が立たせておく、
門番かとも疑われる。 が、往来止だで済ましてはいられぬ。もしその意味に従えば、....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
まわず、この人はぜひそとへでる用がありました。それもほんの十五分ばかりのことだ、
門番にたのんで門をあけてもらうまでもなかろう、ついさくのまえにたちました、 「ど....
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
食って、九つ半(午後一時)過ぐる頃にお暇申して出た。 彼が屋敷の門を出たのは、
門番もたしかに見届けたのであるが、伊四郎はそれぎり何処へ行ってしまったのか、その....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
しい膝節を出してスカートのような赤縞のケウトを腰につけたスコットランド服の美貌の
門番が銀盆の上に沢山の「平凡」を運んで来た。 答礼の花束。 レセプションの招....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
めよりして夕暮までは、諸天、諸仏。――中にも爾く端麗なる貴女の奥殿に伺候するに、
門番、諸侍の面倒はいささかもないことを。 寺は法華宗である。 祖師堂は典正な....