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「門衛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

門衛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
作に実行を不可能にした。彼は勿論学校を憎んだ。殊に拘束の多い中学を憎んだ。如何に門衛の喇叭《らっぱ》の音は刻薄な響を伝えたであろう。如何に又グラウンドのポプラア....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
が虫が好かないのだった。 豹一は吉田神社の長い石段を降りて、校門の前まで来た。門衛の方を覗くと、そこに自分の名前を書いた紙片が貼出されてあった。はいって自分宛....
人間灰」より 著者:海野十三
後に残されたのは、工場主の赤沢博士と、青谷二郎という青年技師と、それから二人の門衛だけになった。その外に、構内別館――そこは赤沢博士の住居になっていた――に博....
夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
だった。風も無い、死んだように寂しい真夜中だった。 かねて手筈のとおり、工場の門衛番所に、柱時計が十二の濁音を、ボーン、ボーンと鳴り終るころ、組下の若者が、十....
赤外線男」より 著者:海野十三
は元の室の土間の上に転がっているという始末。それから駭いて窓から外へ飛び出すと、門衛のいますところまで駈けつけて、大変だと喚きましたようなわけです」 「すると、....
地獄街道」より 著者:海野十三
選ぶところがなかった。 「さア、入ってみよう」 辻永は麦藁帽子をヒョイと取って門衛に挨拶をすると、スタコラ足を早めていった。私も彼の後から急いだけれど、レール....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
術に成功した。すでに、その時は夜の刻みが尽きていて、胸の釦に角燈を吊した小男が、門衛小屋から出掛けてきた。一つ二つ鶫が鳴きはじめ、やがて堡楼の彼方から、美しい歌....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
、馬車は、いつの間にか、小さい山を一つ登って、鑑識研究所の前についた。 仏は、門衛に、刺を通じた。 門衛は、紹介状の表を見て、本館へ電話をかけた。 「所長は....
獏鸚」より 著者:海野十三
防音大スタディオを建設したが、それが堤の上からよく見えた。 門を入ると、馴染の門衛が、俄かに笑顔を作りながら出て来た。 「お連れさんは?」 「これは俺の大の親....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
扉はなく、その丸味のついた入口からは自由に門内の模様が窺われます。あたりには別に門衛らしいものも見掛けませんでした。 で、私は思い切ってその門をくぐって行きま....
中支遊記」より 著者:上村松園
つくってすましかえっている御愛嬌には笑わせられた。私はふっと特務機関長のところの門衛の支那兵を思い出したりした。 杭州にて 杭州では西冷印社という印....
式部小路」より 著者:泉鏡花
で、腰をかけた、渠等好事なる江戸ツ児は、かくて甘んじて、この惨憺たる、天女|廟の門衛となったのである。 雨がドッと降って来た。 しばらくすると、宿直と、看護....
審判」より 著者:カフカフランツ
かん、って言うのだ」と、叔父は繰返した。 二人は通りに通じる表階段の上にいた。門衛が聞き耳をたてているようなので、Kは叔父を引っ張りおろした。街路のにぎやかな....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
日二時頃に来いということでその日はお暇いたしました。 その翌日行きますと門衛の兵士が威張ってなかなか入れてくれない。無理に入ろうとするとぶん擲ぐるという....
機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
に漂ったそうですが、とにかく白石が呆気に取られて彳んで居る間に、その黒い影は忽ち門衛に捕まってしまいました。 何者だろう? オッフィスの中に忍び込んでいたもの....