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閊
「閊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
閊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
《かたがた》はいったそうです。もっとも今日は謹んで、酒は一滴も口にせず、妙に胸が
閊《つか》えるのを、やっと冷麦《ひやむぎ》を一つ平げて、往来の日足が消えた時分、....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
けれど余は漸く合点が行った、今のは十一時で有ったから、十二の凸点が一個残り、之が
閊《つか》えて戸を開け放す事が出来なんだけれど、若し十二時になれば意地の悪い凸点....
「振動魔」より 著者:海野十三
らなかった。気がつくと、咽喉の下あたりと思われるあたりに、何か南瓜のようなものが
閊えるようで、気持がわるかった。そいつを吐こうと思って、顎をグッと前に伸ばす途端....
「地獄街道」より 著者:海野十三
あの下をくぐることが出来るが、もし長い人間の身体が載っていたとしたら、あの腕金に
閊えて忽ち下へ墜ちてくるだろう」 「なるほど、そうなっているネ」と私はいよいよ友....
「蠅男」より 著者:海野十三
したら、このような小さい穴からは、彼の腕一本が通るにしても、彼の脚は腿のところで
閊えてしまって、とても股のところまでは通るまい。 「――これは考えれば考えるほど....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
奥と代え高村と致し、高村東雲は如何でございましょう」という。「それは面白い。差し
閊えない。それがよかろう」ということになって奥村藤次郎はそこで高村東雲となって仏....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
」 「あなたは、硝子窓を外から押して合わせた。きっちりとは入らなかった。どこかに
閊《つか》えているらしかった。そのままにしてあなたはクラブへ引返した。そうでしょ....
「雁坂越」より 著者:幸田露伴
いずれ川上の方の事だから高いには相違ないが、恐ろしい高い山々が、余り高くって天に
閊えそうだからわざと首を縮めているというような恰好をして、がん張っている状態は、....
「故郷」より 著者:井上紅梅
中には餌を入れておく。鶏は嘴が長いから柵をとおして啄むことが出来る。犬は柵に鼻が
閊えて食うことが出来ない。故に犬じらしという) だんだん故郷の山水に遠ざかり、....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
であるが、しかし、牙彫界を見渡したところで、前申す如き有様であるから、どうも頭が
閊えている。自分たちの好き勝手な真似ばかりをするわけにも参りません。それで彼らは....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
はもはや、御両方とも黄泉の客となられた場合、私がこのはなしをしたとて、さして差し
閊えもないことかと思うばかりでなく、かえってこのはなしは、刀自の素性について世間....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
御徒町に転宅しまして病気も概かた癒りました。 その時が明治二十年の秋……まだ本当に元の身体には復しませんが仕事には差し
閊えのないほどになった。 すると、その年の十二月、皇居御造営事務局から御用これ....
「酒徒漂泊」より 著者:佐藤垢石
よ』 と、にこにこと笑った。 私は、ひどくてれ臭かった。胸板の裏へ、何か物が
閊えたような気持ちになった。 友人というのは、魚問屋の帳場に勤めていて、あまり....
「猫と村正」より 著者:小酒井不木
ったのです。つまり私の意志が薄弱であったことが、今こうした悲運を齎したといって差
閊ありません。仲人は私に向って先方が容貌が悪くても、ほかに美しい女を囲えばよいで....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
亭主へも面会して、三人で一緒に飲ろうじゃないか」 かぢ「狭くっていけませんよ鼻が
閊えて這入られませんよ」 侍「イヤ是非ともお宅へ出よう、何うか先へ立ッてって下さ....