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開け放す
「開け放す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
開け放すの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「グッド・バイ」より 著者:太宰治
ら、ここへ、ちょっと、……」 「だめ、だめ、お帰り。」 キヌ子は立って、ドアを
開け放す。 田島は窮して、最もぶざまで拙劣な手段、立っていきなりキヌ子に抱きつ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
動き方の三分一ほどに当るのだ、併し是では十一度打った所で一尺とは開かぬが、何うか
開け放す工夫は有るまいかと、手を添えて戸を引き開ける様にするけれど、戸は余の力で....
「田原氏の犯罪」より 著者:豊島与志雄
散な地位に置いていたのである。 家は本郷の西片町の高台の外れに在ったので、窓を
開け放すと、植物園一帯の高地がすぐ眼の前に展開せられた。その右方に白山の森があり....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
うになった。 「僕は此処にじっとしてるのが好きだ」と彼は女中達に云った。 窓を
開け放すと、高い建物の間に挾ってる低い屋根並の彼方に、街路の灯が点々と連っていた....
「公孫樹」より 著者:豊島与志雄
けない。電気をつけるんだ。俺が相図をするまで、荷物は運び出すな。」 何で雨戸を
開け放すなと父が云ったのか、僕には分らない。がその時まで、電燈のことは全く忘られ....
「或る素描」より 著者:豊島与志雄
少し憤慨していた。いくら自分が庭で働いてるからって、肺炎の母親が寝てる室の障子を
開け放す法はないと、そう思ったばかりでなく、実際口に出して彼をたしなめた。が彼は....
「春」より 著者:豊島与志雄
気が、六人の男の口から、幾度交る代る吐き出され吸いこまれてることだろう。然し窓を
開け放すことは厳禁されている。戸外の新鮮な夜気は睡眠者の喉を害するそうである。 ....
「田舎医師の子」より 著者:相馬泰三
のだが、一度もその方で使われた事がないと云う事やを彼に説明して聞かせた。 戸を
開け放すと、房子は思い出したように急に窓のところへ行って、そこから母屋の方へ向っ....