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「開口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

開口の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
「|天母生上の雲湖《ハーモ・サムバ・チョウ》」の外輪四山の一つ、紅蓮峰の大氷河の開口《くち》へでた。 そこは、天はひくく垂れ雲が地を這《は》い、なんと幽冥《ゆ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
河の話をきっとやるだろう……と私は、しめしめとばかりに舌なめずりをしながら、彼の開口を待ったのである。 ところが、その予想ががらっと外れ、意外や、題を聴けば「....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
一歩も外へお出にならぬように……。これは警視庁からの命令でございます」 警部が開口一番、いきなり厳然たる申渡しをいたしましたので、一座は不安とも不快ともつかぬ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、自署の件を持ち出した。そして、それを手短に語り終えると開き直って、厳しく伸子の開口を迫るのだった。 「いいですかな。僕等が訊きたいのは、僅ったそれだけです。ど....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
が見えます。 大「はてな」 と大藏は後へ退って様子を見ていました。すると三尺の開口がギイーと開き、内から出て来ました女はお小姓姿、文金の高髷、模様は確と分りま....
猿面冠者」より 著者:太宰治
こやら慈悲深くなるものらしい。洋画家は在宅していた。彼は、この洋画家と対座して、開口一番、彼の小説のことを話して聞かせた。おれはこういう小説を書きたいと思ってい....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
屈みに演壇に立って、蒼白い額に垂れかかる長い髪の毛をうるさそうに払いのけながら、開口一番、 「私は今晩初めてこの演壇に立つことを、義理にも光栄と心得なければなら....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
t”ではないのか。つまり、壺形をした渓という意味で、上部は、子安貝に似た裂罅状の開口。しかし、内部は広くじつに深く、さながら地軸までもという暗黒の谷がこの「大地....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
」という現実をも免していないものである。一首の諧調音を分析すれば不思議にも加行の開口音があったりして、種々勉強になる歌である。先師伊藤左千夫先生は、「神も人も相....
まぼろし」より 著者:国木田独歩
来たな!』と思った。 果たしてかれであった。 『どうだその後は?』これがかれの開口第一のあいさつであった。自分が慇懃にあいさつする言葉を打ち消して、『いやそう....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
ードンのコックネーに至っては閉口を通り過してもう一遍閉口するまで少々|草臥るから開口一番ちょっと休まなければやり切れない位のものだ。我輩がここに下宿したてにはし....
新案探偵法」より 著者:小酒井不木
出来ます。唾液腺の導管は口中に開いて居りますが、それを手術によって顎の下の皮膚に開口せしめ、なおその先端に短いゴム管でもつけて置けば、唾液の流れる様がよく見えま....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
挨拶にマゴマゴしてしまった。その頃であった、或る若い文人が椿岳を訪ねると、椿岳は開口一番「能く来なましたネエ」と。禅の造詣が相当に深いこの若い文人も椿岳の「能く....
露伴の出世咄」より 著者:内田魯庵
ある時、その頃金港堂の『都の花』の主筆をしていた山田美妙に会うと、開口一番「エライ人が出ましたよ!」と破顔した。 ドウいう人かと訊くと、それより....
雨夜草紙」より 著者:田中貢太郎
ると、怪しい囁のしていた室の前の雨戸が五六寸|開いているから、それを見ると、その開口を広くして裸足で庭へおりたさ、遅い月が出て、庭は明るかった、池の傍を廻って、....