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開口一番
「開口一番〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
開口一番の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「倫敦消息」より 著者:夏目漱石
クネーに至っては閉口を通り過してもう一遍閉口するまで少々|草臥《くたびれ》るから
開口一番ちょっと休まなければやり切れないくらいのものだ。我輩がここに下宿したてに....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
一歩も外へお出にならぬように……。これは警視庁からの命令でございます」 警部が
開口一番、いきなり厳然たる申渡しをいたしましたので、一座は不安とも不快ともつかぬ....
「猿面冠者」より 著者:太宰治
こやら慈悲深くなるものらしい。洋画家は在宅していた。彼は、この洋画家と対座して、
開口一番、彼の小説のことを話して聞かせた。おれはこういう小説を書きたいと思ってい....
「「迷いの末は」」より 著者:宮本百合子
い無理をしている。「一口で日本を巧妙に説明しなければならぬ危い橋を渡る」ために、
開口一番「日本には地震が何より国家の外敵だ」と云い、それが「他のどの国にもない自....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
屈みに演壇に立って、蒼白い額に垂れかかる長い髪の毛をうるさそうに払いのけながら、
開口一番、 「私は今晩初めてこの演壇に立つことを、義理にも光栄と心得なければなら....
「魔像」より 著者:林不忘
は埓《らち》が開《あ》きそうもないので、一まず閉門を許された脇坂山城が出て来て、
開口一番、いきなり伊豆屋伍兵衛の油御用のことを言い出して、さきほどから、一同の苦....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
エーをいうんじゃねえぞ」 顎でしゃくった。 「ヘイ」 肯いて首の座へ直ったが
開口一番、 「エー申し上げます」 すぐその「エー」をいってしまった。 ア……....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
ードンのコックネーに至っては閉口を通り過してもう一遍閉口するまで少々|草臥るから
開口一番ちょっと休まなければやり切れない位のものだ。我輩がここに下宿したてにはし....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
作』など「百猫伝」で知られた桃川|如燕《じょえん》の速記だったとおぼえているが、
開口一番、如燕自ら今日の講釈師の不勉強不熱心をさんざんにこき下ろして、さて本題に....
「わが寄席青春録」より 著者:正岡容
牛込亭に聴いたのはその年の晩秋の一夜だった。今輔君は今のような沢潟屋張りの声で、
開口一番、「魔子ちゃんも上京してまいりました」とぐっと客席を睨み廻したので、一面....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
挨拶にマゴマゴしてしまった。その頃であった、或る若い文人が椿岳を訪ねると、椿岳は
開口一番「能く来なましたネエ」と。禅の造詣が相当に深いこの若い文人も椿岳の「能く....
「露伴の出世咄」より 著者:内田魯庵
ある時、その頃金港堂の『都の花』の主筆をしていた山田美妙に会うと、
開口一番「エライ人が出ましたよ!」と破顔した。 ドウいう人かと訊くと、それより....
「三国志」より 著者:吉川英治
添えんものと、無礼もかえりみず推参いたしました」 苦しげに云い抜けると、曹操は
開口一番、限りもなく大笑した。 「わははは、何を戸惑うて。――これ両人、きょうは....
「三国志」より 著者:吉川英治
って、李恢はやがて、関外へ出て行った。 馬超は、その本陣で、彼の訪問をうけると
開口一番に、 「汝は、玄徳に頼まれてきた説客であろう」といった。 李恢は悪びれ....