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開幕
「開幕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
開幕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
くりかえして見ても、同じだった。 「ふむ、すばらしいぞ。これは、新しいロマンスの
開幕だ」 この夥しい女性のどれが、自分の胸に香りのいい頭髪を押しつけるであろう....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
して一昨年の春、くわしく言えば六月十日に、折柄来訪して来た笛吹川画伯の頓死事件を
開幕劇として怪奇劇は今尚、この館に上演中なのです。 笛吹川画伯は、その日、午後....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
、しきりにくしゃみ出、洟をずるずるいわせる仕儀となった。 これが風邪の第三回の
開幕なり。 昨年とちがって、今年はなぜこう風邪ばかりひくのか訳がわからず。昨年....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
に生存の世界から去っている人々とも闘わねばならなかったのである。ところで、事件の
開幕に当って、筆者は法水の手許に集められている、黒死館についての驚くべき調査資料....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
て、半分は諦めの気易さから、わざと席に落ち着いていた。肝腎の中幕の大晏寺がすでに
開幕に迫っていた。舞台裏の木の音が近づいて来た。 そこへ葉子がふらふらと入って....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
の九紋竜史進、左団次の花和尚魯智深という役割。殊に大晏寺堤は団菊左の顔合わせで、
開幕前の噂はなかなか高かったが、さて初日を出してみると客足が思わしからず、通し狂....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
いうものは、舞台でなければ見せられないものだから、劇場の雰囲気のことまで考える。
開幕をまつまでの見物人のことまで考えるに至るから、事ここまで思うに至っては、座付....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
方でしょう、年の……」と夫人はからかうような眼差で、木賀を見上げた。 その時、
開幕のベルが鳴った。 「じゃ、貴君もご用が済んだし、私もお義理を果してしまったん....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
っていて、方丈の玄関には、神獣鏡の形をした大銅鑼が吊されていた。そして、その音が
開幕の合図となって、愈法水は、真夏の白昼鬼頭化影の手で織りなされた、異様な血曼荼....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
は、空虚を衝かれたような気持を、わずかに爆笑でまぎらわせてしまった。が、その時、
開幕の電鈴が鳴った。 そして、次の幕――「エルシノア城外の海辺」が始まったので....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
怪訝そうに左手の声の方向にふりかえる。 ――幕―― 第四幕 第一場
開幕前、「合唱」が低く聞えて来る。 合唱 白雲の たなびく里の なよ竹の ささ....
「京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
。この兇器こそ、ほかでもございませぬ、私の師匠、杵屋新次さまの象牙の撥――それも
開幕前には、師匠が楽屋で、手にしていらっしたものなのでございます。これは、お弟子....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
も其の辺に積み重ねられている。遠景、渋谷越の山峰は日暮れの逆光線に黝んでいる。)
開幕。土地の信徒で工事手伝いの男女の一群上手よりどやどやと出て来て舞台の下手へ入....
「ジャズ狂時代」より 著者:小野佐世男
廊下にあふれて、若い青年や少女がひしめいている。アア世は正にジャズ狂時代である。
開幕のベルが鳴りひびいて、静かに緞帳が上げられるや、待ってましたと客席は嵐のよう....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
縊り切っていた。欧洲戦という意外の事件が突発したためという条、コンナに早く革命が
開幕されて筋書通りに、トいうよりはむしろ筋書も何にもなくて無準備無計画で初めたの....