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開戸
「開戸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
開戸の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「活人形」より 著者:泉鏡花
きぬ。こは六畳ばかりの座敷にて一方に日蔽の幕を垂れたり。三方に壁を塗りて、六尺の
開戸あり。床の間は一間の板敷なるが懸軸も無く花瓶も無し。ただ床の中央に他に類無き....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
。 「してこいなと遣附けろ、や、本雨だ、威勢が可いぜえ。」 五十三
開戸から慶造が躍出したのを、拓は縁に出て送ったが、繁吹を浴びて身を退いて座に戻っ....
「星あかり」より 著者:泉鏡花
、広々とした、うるさくない処をと、寺の境内に気がついたから、歩き出して、卵塔場の
開戸から出て、本堂の前に行った。 然まで大きくもない寺で、和尚と婆さんと二人で....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
て突きのけた。 「そこで、戸を膝行って出た私ですが、ふらふらと外へ出たのは一枚の
開戸口で。――これが開いたのを、さきには一本松の幹だと思った。見ると、小さな露台....
「妖術」より 著者:泉鏡花
って、どれも口を開けていた。 が、あ、と押魂消て、ばらりと退くと、そこの横手の
開戸口から、艶麗なのが、すうと出た。 本堂へ詣ったのが、一廻りして、一帆の前に....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
ございます。成程来て見ると茂左衞門の云った通り入口が門形に成りまして、竹の打付の
開戸が片方明いて居て、其処に按腹揉療治という標札が打ってございます。是から中へ這....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
部という若侍も同じく慌てゝお馬場口の方へ遁げて行く。大藏は密と後へ廻って、三尺の
開戸を見ますと、慌てゝ締めずにまいったから、戸がばた/\煽るが、外から締りは附け....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
吉が怖いとも怖くないともグッと息が止《とま》るようで、唯《た》だ無茶苦茶に三尺の
開戸《ひらきど》を打毀《うちこわ》して駈出したが、階子段《はしごだん》を下りたの....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
訳もなし、どうもそんな事も不思議に存じまして、用場へ参ろうと思って、三尺ばかりの
開戸がありますから其処を開けますと、用場ではなく、其処は書物棚になっておりまして....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
を越えて庭の内にはいった。小屋に近よってみると、入り口といってはきわめて低い狭い
開戸《ひらき》がついていて、道路工夫が道ばたにこしらえる建物に似寄ったものであっ....
「寺じまの記」より 著者:永井荷風
れも近寄って番地でも見ないかぎり、全く同じようである。いずれも三尺あるかなしかの
開戸《ひらきど》の傍に、一尺四方位の窓が適度の高さにあけてある。適度の高さという....
「青年」より 著者:森鴎外
は穢ない長屋で、塩煎餅を焼いている店や、小さい荒物屋がある。物置にしてある小屋の
開戸が半分|開いている為めに、身を横にして通らねばならない処さえある。勾配のない....
「巡査辞職」より 著者:夢野久作
る間から、中《なか》の間《ま》に通う三|尺間《じゃくま》を仕切っている重たい杉の
開戸《ひらきど》を、軍隊手袋《ぐんて》を嵌《は》めた両手で念入りに検査した。それ....