開放[語句情報] » 開放

「開放〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

開放の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
机の傍に坐り込んで、煙草を喫もうとして、打棄って、フイと立って蒲団を持出すやら、開放しましょう、と障子を押開いたかと思うと、こっちの庭がもうちっとあると宜しいの....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ではあるまい。このようにして、再び温暖な気候が復帰したときに、氷河期の退いた後に開放された生息所の上で、これら新種族間に言わば一種の生存競争場が開かれることにな....
新日本の進路」より 著者:石原莞爾
人の能力と関心によつてのみ決定する。生産の向上、生活の快適は期して待つべく、婦人開放の問題のごときも、かかる社會においてはじめて眞の解決を見るであろう。 かく....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
ちゃんと開けてあった。それを見た人は色々で、細目の時もあり、七八分目の時もあり、開放しの時もあった、と言う。 さて、そのときまでは、言ったごとく、陽気立って、....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
ような音が響いて来た。色提灯を吊し、赤黄青のモールで飾りたてた家々の窓はいずれも開放され、その中には踊り且つ歌う人の取り乱した姿が見えた。また街路の上には、音頭....
火星探険」より 著者:海野十三
に、宇宙艇の腹部が砂原に接触した。これこそ、記録すべき火星着陸の瞬間だった。 「開放……」 エンジンは外《はず》された。弾力はまだ残っていた。宇宙艇は沙漠のま....
怪塔王」より 著者:海野十三
はぎりぎりぎりと上へあがっていきました。そしてとうとう壁だったところが、すっかり開放しになりました。 いまこそ、室内がよくみえます。 おおその部屋は、ちょっ....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
はありませんでした。内中皆|裸体です。六畳に三畳、二階が六畳という浅間ですから、開放しで皆見えますが、近所が近所だから、そんな事は平気なものです。――色気も娑婆....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
寂然とした。 なぜか息苦しい。 赤い客は咳一つしないのである。 小県は窓を開放って、立続けて巻莨を吹かした。 しかし、硝子を飛び、風に捲いて、うしろざま....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
で……目刺を串ごと。旧の盆過ぎで、苧殻がまだ沢山あるのを、へし折って、まあ、戸を開放しのまま、敷居際、燃しつけて焼くんだもの、呆れました。(門火、門火。)なんの....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
思ったが、どちらを視めても、何も居らず、どこに窓らしい薄明りも射さなければ、一間開放した筈の、帷の戦ぎも見えぬ。 カタリとも言わず……あまつさえ西洋|室の、ひ....
科学者と夜店商人」より 著者:海野十三
増大すると空気が圧縮せられて浮体自身の浮力が減少し、沈降を始めるわけだが、これは開放されたる大気中に在るのだから、そんなに気圧が変動する筈はない。それに鵜烏は浮....
幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
た布簾を放下した。こういう風だと自己を守って閉じ籠るほどの強情もなく、また門戸を開放する不安もないのだから、これこそはなはだ「中庸の道」に合するものだと思っても....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
乗せられたり、猿轡を嵌められたりすると大変だ。 それだからこうやって、夜|夜中開放しの門も閉めておく、分ったかい。家へ帰るならさっさと帰らっせえよ、俺にかけか....
岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
しか。更に分売を許さず読者を繋縛して数十冊を強ふるがごとき、果して其揚言する学芸開放の所以なりや。吾人は天下の名士の声に和して之を推挙するに躊躇するものである。....