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開襟
「開襟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
開襟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おさん」より 著者:太宰治
あったのに違いないと私は思いました。 「それじゃ、何を着ていらっしゃるの?」 「
開襟《かいきん》シャツ一枚でいいよ。」 朝に言い出し、お昼にはもう出発というこ....
「おしゃれ童子」より 著者:太宰治
のシャツには蝶々の翅《はね》のような大きい襟《えり》がついていて、その襟を、夏の
開襟《かいきん》シャツの襟を背広の上衣の襟の外側に出してかぶせているのと、そっく....
「作家の手帖」より 著者:太宰治
るものらしい。私は今では、完全に民衆の中の一人である。カアキ色のズボンをはいて、
開襟シャツ、三鷹の町を産業戦士のむれにまじって、少しも目立つ事もなく歩いている。....
「縮図」より 著者:徳田秋声
す。」 彼は分け目もわからぬ蓬々した髪を被り、顔も手も赤銅色に南洋の日に焦け、
開襟シャツにざぐりとした麻織の上衣をつけ、海の労働者にふさわしい逞しい大きな体格....
「築地河岸」より 著者:宮本百合子
通り過ぎる時には、白く塗られた甲板に並んでこっちを物珍しそうに眺めている浴衣姿や
開襟シャツの船客たちの目鼻立ちまで手にとるように見える程、イルミネーションは明る....
「道標」より 著者:宮本百合子
遊覧船には人が満載だった。甲板の手摺りに鈴なりになって、こっちの船をみている白い
開襟シャツ、黒と黄色の横ダンダラの運動シャツなど一人一人の姿が手にとるように見え....
「播州平野」より 著者:宮本百合子
こりゃ!」 わざわざ列をはなれてそばへよってゆく男たちもあった。 すると、白
開襟シャツに国防色のズボン、巻ゲートルの三十がらみの大柄の男が、あっち向きにひろ....
「微笑」より 著者:横光利一
。」 「なるほど、君は海軍だったんですね。」と、梶は、今日は学生服ではない栖方の
開襟服の肩章を見て笑った。 「今日はおれ、大尉の肩章をつけてるけれど、本当はもう....
「宇宙爆撃」より 著者:蘭郁二郎
洋服を着てネクタイをしているなんて馬鹿気た話だ、ここは東京ほど暑いと感じないのに
開襟シャツに半ズボンで何処でもとおるんだからね、などといっていられます。 それ....
「小浅間」より 著者:寺田寅彦
。 そんなことを考えながら、T君の山男のような蓬髪としわくちゃによごれやつれた
開襟シャツの勇ましいいで立ちを、スマートな近代的ハイカーの颯爽たる風姿と思い比べ....
「それに偽りがないならば」より 著者:宮本百合子
つぶしてはならぬ」と要望(五日、読売)したには、以上のいきさつがあった。学生服や
開襟シャツに重ねた仕事着姿の被告たちにまじって、ただ一人きちんとネクタイをつけ上....
「電車の見えない電車通り」より 著者:宮本百合子
、入庫して下さい」 とやっている。 「入庫だって」 「入っちゃっていいんですか」
開襟シャツの若い背広車掌はいかにも嬉しそうである。 「ポール直して」 ずんぐり....
「大阪発見」より 著者:織田作之助
、立ち待ちしている人などをいれて、ざっと二十五人ほどの客がいるが、驚いたことには
開襟シャツなどを着込んだインテリ会社員風の人が多いのである。彼等はそれぞれ、おっ....
「水甕」より 著者:豊島与志雄
かり、こちらは卑屈に頷いたり弁解したりしていました。どちらも中年の男で、あちらは
開襟シャツにズボン、恐らくは下駄でもはいていそうで、近辺の地廻りの者らしく、こち....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
お丈夫ですか。」 佐竹は機会を捉えたものの、いざとなると、話し出すのに困った。
開襟シャツの胸元へ扇子で風を送り、それからウイスキーの瓶を取り出した。 「暑いか....