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間々
「間々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
間々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「良夜」より 著者:饗庭篁村
ここに泊り朝より夕まで業に就き、夕よりまた夜業とて活字を取扱う。随分と苦しけれど
間々に新聞雑誌などを読む事も出来、同僚の政治談も面白く、米国のある大学者も活版職....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
の九月一日、あの関東大震災は私にとって初めての大試練であった。この日私は群馬県大
間々町で麻生久、松岡駒吉氏らとともに八百名の聴衆を前に社会問題演説会を行っている....
「私の父と母」より 著者:有島武郎
うような型に入ろうと努め、また入りおおせた。しかし性質の根柢にある烈しいものが、
間々《まま》現われた。若い時には極度に苦しんだり悲しんだりすると、往々卒倒して感....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
。革紐で縦横に縛られて、紐の食い込んだ所々は、小さい、深い溝のようになって、その
間々には白いシャツがふくらんでいて、全体は前より小さくなったように見えるのである....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
の烏賊を遊ぶって、どの船からも投出される。 また、あの巌に追上げられて、霜風の
間々に、(こいし、こいし。)と泣くのでござんす。 手足は凍って貝になっても、(....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
ろがりに、石山の下を綺麗な水が流れて、女まじりに里人が能登縮をさらしていて、その
間々の竈からは、塩を焼く煙が靡く。小松原には、昼顔の花が一面に咲いて、渚の浪の千....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
檜ともいわず、二抱三抱に余る大喬木がすくすく天をさして枝を交えた、矢来のごとき木
間々々には切倒したと覚しき同じほどの材木が積重なって、横わって、深森の中自から径....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
知れない、カーンカーンと打つ鎚が、一面の湖の北の天なる、雪の山の頂に響いて、その
間々に、 「これは三保の松原に、伯良と申す漁夫にて候。万里の好山に雲|忽ちに起り....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
魔界の姿見るがごとし。この種の事は自分実地に出あいて、見も聞きもしたる人他国にも
間々あらんと思う。われ等もしばしば伝え聞けり。これと事柄は違えども、神田の火事も....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
とど冷汗になったのを知った。 窓を開けたままで寝ると、夜気に襲われ、胸苦しいは
間々ある習で。どうかすると、青い顔が幾つも重って、隙間から差覗いて、ベソを掻いた....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
あれと喚く。膝から股へ真白な通草のよう、さくり切れたは、俗に鎌鼬が抓けたと言う。
間々ある事とか。 先達が担いで引返した。 石動の町の医師を託かりながら、三造....
「露肆」より 著者:泉鏡花
電車の交叉点を、その町尽れの方へ下ると、人も店も、灯の影も薄く歯の抜けたような、
間々を冷い風が渡る癖に、店を一ツ一ツ一重ながら、茫と渦を巻いたような霧で包む。同....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
などという、いわんや巌に滴るのか、湯槽へ落つるのか、湯気の凝ったのか、湯女歌の相
間々々に、ぱちゃんぱちゃんと響きまするにおいてをや。 十四 これ....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
触れると、ちょうどその時分に国元で、その兄弟が死亡したというようなことが、世上に
間々あるところであります。 それで、私が諸君に対して妖怪の事実を御報道下さる際....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
が墨色も書体も一様でないところを見ると、一|時に書いたものでないことが明らかで、
間々聯絡がついている。専門家が見たらこれでも何かの役に立つかと思って、言葉の誤り....