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間引
「間引〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
間引の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「田舎教師」より 著者:田山花袋
谷から行田に移転した時の話も出る。 「こうして、たいした迷惑を人にもかけずに、昼
間引っ越して行かれるのは、みんなお前のおかげだよ」などと言った。長野をはずれよう....
「丸善と三越」より 著者:寺田寅彦
こういう物に対する好尚と知識のきわめて少ない自分は、反物や帯地やえりの所を長い時
間引き回されるのはかなりに迷惑である。そしてこれほどまでに呉服というものが人間に....
「死者の書」より 著者:折口信夫
寒く感じるほどである。時々に過ぎる雲の翳りもなく、晴れきった空だ。高原を拓いて、
間引いた疎らな木原の上には、もう沢山の羽虫が出て、のぼったり降ったりして居る。た....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
っさい》のうちに退場した。人々は彼をも一度呼び出そうとした。歓呼はなお一、二分の
間引きつづいた。しかし彼はふたたび姿を見せなかった。管弦楽隊は立ち去りかけていた....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
に暖まった樹脂《やに》多い木立、などの匂《にお》いがしていた。クリストフは、数日
間引きつづいてジャックリーヌといっしょに暮らすうちに、しみじみとしたやさしい感情....
「女心の強ければ」より 著者:豊島与志雄
しい。 そういう商売上の事柄は、長谷川にとっては興味もなく、秋茄子の話や大根の
間引きの話の方が、よほど面白かった。 辰さんは不平を言った。 「奥さんも訳がわ....
「在学理由」より 著者:豊島与志雄
名だ。――四十歳あまりの男で、頭髪はまだ色濃くて硬いが、謂わば丈夫な毛並をむりに
間引かれたようで数少く、若い時は美男だったろうと思われる細長い顔立には、生活の混....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
ゃア有りやせん、旦那様聞いておくんなせい、国を出る時に沼田の原中の一本松へ、長い
間引慣れた青という馬を繋いで、名残が惜しいから暇乞をしながら馬の前面を撫て、己え....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
行い、ヘルシェルは天文学者なので、光学の方面から調べるというつもりであった。五年
間引きつづいて研究をした。 これに聯関して起った事件は、一八二七年にファラデー....
「雑記」より 著者:種田山頭火
。大根は根よりも葉が出来て、これでは大根という代りに大葉とよびたいほどです。菜は
間引いてからぐんぐん伸びた。それを洗って干して漬ける。ひとりしみじみ噛みしめてい....
「イプセン百年祭講演」より 著者:久保栄
ころや最近朝日新聞社へはいったニュースを綜合しますと、十四日から二十二日まで九日
間引つづいて催される予定で、そのために政府は独英仏伊その他十ヶ国からイプセン研究....
「人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
にあっては、必要上産児の制限が行われる。適切に云えば育児の制限が行われる。所謂「
間引き」が行われるのである。そして多くの場合において、その
間引きの犠牲となるのは....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
はほとんど増加しなかったのであった。これは一に一般民衆の生活が困難であり、堕胎、
間引き等による人口調節が盛んに行われた為にほかならぬ。これは幕府が鎖国主義を採っ....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
とって往生せしめるという一向宗の信徒となったがために、この宗旨の教導から、堕胎や
間引きをしなかったという理由もありましょう。ともかく世間の人口が増さぬ間に、この....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
人口が盛んに増殖する。一般世間の百姓、町人らは、生活が困難でありましたから、堕胎
間引きの悪風が盛んに行われて、一向に人口が増さなかった間に、彼らのみは盛んに増し....