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間断
「間断〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
間断の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
く解決するものなることを忘れていたのである。かくてこの「主義」はすでに五年の間|
間断《かんだん》なき論争を続けられてきたにかかわらず、今日なおその最も一般的なる....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
春という一つの感じに統一されてる。 遥かに聞ゆる九十九里の波の音、夜から昼から
間断なく、どうどうどうどうと穏やかな響きを霞の底に伝えている。九十九里の波はいつ....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
面の闇を透して遠く海も時化ているらしく、此処から三|哩程南方にある廃港の防波堤に
間断なく打揚る跳波の響が、風の悲鳴にコキ混って、粉雪の積った線路の上を飛ぶ様に歩....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
。保険会社が来る。麦酒の箱が積まれる。薦被りが転がり込む。鮨や麺麭や菓子や煎餅が
間断なしに持込まれて、代る/″\に箱が開いたかと思うと咄嗟に空になった了った。 ....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
したのは印刷術の進歩で、文人の頭脳の産物を機械がドシ/\印刷して了うから、機械を
間断なく運転させる為めには、印刷材料たる草藁をも亦
間断なく準備しなければならない....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
、一列になって、一ツ去れば、また一ツ、前なるが隠るれば、後なるが顕れて、ほとんど
間断なく牛が歩いた。いずれも鼻頭におよそ三間|余の長綱をつけて、姿形も森の中に定....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
、そこに一人の神があって、絶えず人間の堕落を監視し、又そこに一人の悪魔があって、
間断なく人間誘惑の罠を張って居るというのである。この考が頭脳にしみ込んでいる人達....
「褐色の求道」より 著者:岡本かの子
な光が添った。だが冬の続きの白雲はまだ青空に流水の険しさを見せて、層々北から南へ
間断なく移って行った。雲によって陽が翳るごとに路面に遊んでいる乳母車、乳母、子供....
「春」より 著者:岡本かの子
被も着た人相骨格の嶮岨に見える者ばかりだ。無制限な狂暴患者に対する不断の用心や、
間断無しの警戒、そしてあらゆる異端のなかで、時には圧迫的にも洞察的にも彼等の眼は....
「妖怪談」より 著者:井上円了
は狐でもなんでもありませぬ。御承知のとおり、東京近辺には多くの線路がありまして、
間断なく汽車は動いておりますので、汽笛の音も諸所でいたしますけれども、昼間のうち....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
と三種も四種も山盛りに積んだのを列べて、お客はそっちのけで片端からムシャムシャと
間断なしに頬張りながら話をした。殊に蜜柑と樽柿が好物で、見る間に皮や種子を山のよ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
として恐れていた。尤も今でも防疫に警戒しているが、衛生の届かない昔は殆んど一年中
間断なしに流行していた。就中疱瘡は津々浦々まで種痘が行われる今日では到底想像しか....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
った。搗てて加えて沼南夫人の極彩色にお化粧した顔はお葬い向きでなかった。その上に
間断なくニタニタ笑いながら沼南と喃々私語して行く体たらくは柩を見送るものを顰蹙せ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
しをしていて、遠慮|気兼をする者が一人もいなかったから、若い男は好い遊び場にして
間断なしに出入して、毎晩十二時一時ごろまでもキャッキャッと騒いでいた。小説家とな....
「西航日録」より 著者:井上円了
きはたえず、まだ明けきらぬ夜に孤独な旅人を驚かすのである。) 電車は終夜さらに
間断なく、市街に運転するなり。 ニューヨーク滞在中、友人秦敏之氏とともに自由島....