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間道
「間道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
間道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ようろ》の火口《ひぐち》を開いたように明るくて、馬鹿馬鹿しくだだっ広い北海道の七
間道路が向側《むこうがわ》まではっきりと照らされていた。片側町ではあるけれども、....
「星座」より 著者:有島武郎
た苜蓿《うまごやし》が一面に生えていて、遊廓との界に一間ほどの溝《みぞ》のある九
間道路が淋しく西に走っていた。そこを曲りさえすれば、鼻をつままれそうな暗さだから....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
を引張《ひっぱ》り出した。
飛騨《ひだ》から信州へ越《こ》える深山《みやま》の
間道で、ちょうど立休らおうという一本の樹立《こだち》も無い、右も左も山ばかりじゃ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
敵機や月凍る ◯伊東福二郎君来宅。去る二十七日の空襲に、彼の家の三軒隣りの前の五
間道路に、敵爆弾が落ちたとのこと。両側の家の一方は模型飛行機店で店だけこわれ、他....
「人造人間の秘密」より 著者:海野十三
乾いて、やけつくような咽喉の痛みを感じながら、ぜいぜい息を切って、雑草に蔽われた
間道を走った。走ったというよりは、匐いながら駈けだしたのであった。頼む目標は、イ....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
あろうと、一同は手わけしてそのあたりをくまなく探してくれることになった。 その
間道夫は、格闘のあった元の木蔭に戻ってきて、なおよく調べた。彼はその途中、ふと気....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
というのは、加州の方へ趣く道で、別にまた市中の北のはずれから、飛騨へ通ずる一筋の
間道がある。すなわち石滝のある処で、旅客は岸|伝に行くのであるが、ここを流るるの....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
塀にケバケバしくとりまかれていた。屋敷の表はアパートの前を東西に通ずる閑静な六|
間道路を隔てて約三百坪程の東西に細長い空地があり、雑草に荒らされたその空地の南は....
「初雪」より 著者:秋田滋
あって、そこからは遠く農園のあたりまで伸びている、荒れ放題に荒れた野原が見えた。
間道が一条、柵のまえを通っていた。そこから三|粁離れたところを通っている街道に通....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
は今日しも試みたのであった。最初に大田切で隙を狙って失敗したので、急いで変装して
間道を駈抜けて、関川で再挙を企て又成らず、三度目の黒姫おろし、見事にこれは成功し....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
羨しい。 七日ばかり居たのです。 これまでは、内浦で、それからは半島の真中を
間道|越に横切って、――輪島街道。あの外浦を加賀へ帰ろうという段取になると、路が....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
親父に代ってもらう事に話して来たゆえ、明朝父の居を尋ねて行かるれば、小屋からすぐ
間道を案内するという。よろしい、実際痛いものなら仕方がない、嘉門次ならなお詳かろ....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
ない。恐く何処にか隠れ家があろうと、四辺を隈なく照し視ると、穴の奥には更に小さい
間道が有った。彼等は此処から這い込んだに相違あるまい。巡査等は続いて其穴を潜った....
「活人形」より 著者:泉鏡花
も負わざりけり。 大名の住めりし邸なれば、壁と見せて忍び戸を拵え置き、それより
間道への抜穴など、旧き建物にはあることなり。人形の後の小座敷もこれと同じきものな....
「狐」より 著者:岡本かの子
じゃ困る。やっぱり只今通りの美女に化けてだ。 ――すりゃ、夫のある身を。 ――人
間道では許されぬことだが、畜生道ならたいした障りでもあるまい。兎角、人の持ちもの....