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関口
「関口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
関口の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
八|分《ぶ》に上げながら何か大声に後ろから声をかけていた。葉子はすごすごとして玄
関口に近づいた。一杯きげんで待ちあぐんだらしい倉地の顔の酒ほてりに似ず、葉子の顔....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
って水戸の甘い説を薙《な》ぎ倒《たお》していった。 この論議は、ドレゴの家の玄
関口まで続いた。水戸はこの友情に篤《あつ》いドレゴがその夜飲み過ぎたことと、日頃....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
よ」 「ちげえねえ。じゃあ、行って来ます」 松吉は縁さきから庭に降りて、表の玄
関口へまわったかと思うと、やがて聞き慣れない男の声がきこえるので、半七は暫く耳を....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
後十一時)を過ぎた頃に、ふたりの娘が江戸小石川の目白不動堂を右に見て、目白坂から
関口駒井|町《ちょう》の方角へ足早にさしかかった。 駒井町をゆき抜ければ、音羽....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
名ばかりで残暑が強かった。その八月の末である。小日向水道|町《ちょう》の煙草屋、
関口屋の娘お袖が母のお琴と女中のお由と、三人連れで氷川神社に参詣した。
関口屋はこ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も大塚や巣鴨や雑司ヶ谷や、寂しい場所のあき屋敷をえらんで商人をつれ込み、相手を玄
関口に待たせて置いて、その品物をうけ取ったまま奥へはいって、どこへか姿を隠してし....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
で、残された主人は、むろん金貸とは云っても内々の金貸で、仕舞屋のことですから、玄
関口に錠をおろして、座敷で退屈まぎれに書見をしはじめたんです……ところが、三時の....
「動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
云うのだ。その船長は、なにか事ありげに落付きがなく、顔を隠すようにしていたが、玄
関口で雇入れの契約中を立聞きした一人のマドロスは、乗込船の名を、確かに釧路丸と聞....
「寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
え返って、ガラン、ゴロンと聞えていた。 私は猶予なく、決心した。そして直ちに玄
関口へ戻ると、そこから自分のスキーをつけて戸外へ飛び出し、勝手口の方を廻って、裏....
「三の字旅行会」より 著者:大阪圭吉
とはなかった。 なんしろ、一日に何万という人を、出したり入れたりする大東京の玄
関口である。一人や二人の奇妙なお客があったとしても、大して不思議に思うほどのこと....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
の生垣で、丁度唯今のわたくしの家のような恰好に出来ています。門のなかには正面の玄
関口へ通うだけの路を取って、一方はそこで相撲でも取るか、剣術の稽古でもしようかと....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
なかった。逸作は好感から微笑してかの女と竹越との問答の済むのを待って、ゆっくり玄
関口に立って居た。 竹越氏が帰って行った。二人は門を出て竹越氏の行った表通りと....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
烏もそれかと聞く、時鳥の名に立って、音羽|九町の納涼台は、星を論ずるに遑あらず。
関口からそれて飛ぶ蛍を追ざまに垣根に忍んで、おれを吸った藪ッ蚊が、あなたの蚊帳へ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
、女が取次ぎに出ないのが普通であった。わたしの家などにはその習慣が残っていて、玄
関口の案内にはいつもわたしが出ていたのである――玄関で案内を求める声がきこえるの....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
とです。母の会へ芝居行きの着物はいかがなものでしょう。ピアノを外套掛けと並べて玄
関口に据えるなぞはいかがなものでしょう。 事情に応ずるとは、事情にちょうど振向....