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関門
「関門〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
関門の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みちのく」より 著者:岡本かの子
変りはなかった。店先の掃除《そうじ》をして一飯の雑作に有りついた。誤解や面倒がる
関門を乗り越《こ》して四郎の明澄性《めいちょうせい》はそれらの町々の人の心をも捉....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
更に顔をしかめた。「例の浪士という奴が異人を狙ってはいり込んでくる。尤も神奈川の
関門で大抵くいとめている筈なんですが、どこをどうくぐるのか、やっぱり時々にまぐれ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
れた。更にわれらは数十年後に近迫し来たった最終戦争が、世界の維新即ち八紘一宇への
関門突破であると信ずる。 明治維新は明治初年に行なわれ、明治十年の戦争によって....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
4日 朝 三十数機 四国、近畿 同 十数機
関門地区 同 五〇 大分、長崎 5日 朝 ....
「雪魔」より 著者:海野十三
自分の気を引立てると、そのまま、歩行をつづけたそうである。 が、やがて恐ろしい
関門にさしかかった。その地蔵の森の前を、どうしても通りぬけねばならないのだった。....
「わがまま」より 著者:伊藤野枝
関門の連絡船を降りる頃から登志子は連れのまき子や安子がいそいそと歩いていく後から....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
縮、」 とやっと根こそぎに室を離れた。……扉を後ざまに突放せば、ここが当|館の
関門、来診者の出入口で、建附に気を注けてあるそうで、刎返って、ズーンと閉る。 ....
「白光」より 著者:井上紅梅
城門を開けて下さい」 大きな希望を含みながら恐怖の悲声、かげろうにも似ている西
関門前の黎明の中に戦々兢々として叫んだ。 二日目の日中、西門から十五里の万流湖....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
汽車にのって出発した。汽車はこれから大阪をすぎ中国筋をまっしぐらに走りつづけて、
関門海峡をへて、長崎にゆき、ここから船にのった。三十日は長崎の宿に一泊して、明く....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
波頭を蹴散らし蹴散らし、いささかのセンチを目に浮べて、悲喜交々、闘志を抱いて渡る
関門の海峡を、逆に白波を追っていた連絡船の中で、夢野久作の正体を発見したのである....
「妖怪学」より 著者:井上円了
の都城にのぼらんとするときは、この使節に随伴せざるべからず。しかして、その使節も
関門以内に入るあたわず。ゆえに、我人も
関門をもって限りとせざるべからず。果たして....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
代には一と口に痲疹は命定め、疱瘡は容貌定めといったくらいにこの二疫を小児の健康の
関門として恐れていた。尤も今でも防疫に警戒しているが、衛生の届かない昔は殆んど一....
「明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
劇における功労は何百年来封鎖して余人の近づくを許さなかったランド・オブ・シバイの
関門を開いたのであって『桐一葉』の価値を論ずるが如きはそもそも末である。 早稲....
「西航日録」より 著者:井上円了
一時、独露国境に着す。税関ありて、いちいち厳重に旅行券を調査す。わが国徳川時代の
関門を通過するがごとき感あり。停車場内に入れば、正面にヤソの画像を安置し、その前....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
、快晴。ダーバンはひとりナタール州の要港たるのみならず、トランスバール州に通ずる
関門なり。その国境まで三百七マイルにして、中間、先年の戦地多し。ナタール州の首府....