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闘士
「闘士〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
闘士の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「花火」より 著者:太宰治
込まれたという自負である。見込まれて狼狽閉口していながらも、杉浦君のような高潔な
闘士に、「鶴見君は有望だ」と言われると、内心まんざらでないところもあったのである....
「仮装観桜会」より 著者:佐左木俊郎
…」 「それはそうだよ。闘いじゃないか? いまどきはそんなテロリズムを担いでいる
闘士なんてないだろうからね? しかし、その場合によって、どうしてもテロリズムでい....
「人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
ず、脳髄がひきしめられるような気がした。緑十八といえば、秘密結社海龍倶楽部の花形
闘士の中でも、昨今中国第一の評ある策士。辣腕《らつわん》と剽悍《ひょうかん》との....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
するための麻雀競技会が六月の二十九日の夕刻から開かれました。八十名に近い若い麻雀
闘士が、鯨ヶ丘の上に威勢よく昇って来ました。麻雀聯盟の委員長である賀茂子爵の鶴の....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
伊大老の期するところは沸騰した国論の統一にあったろうけれど、彼は世にもまれに見る
闘士として政治の舞台にあらわれて来た。いわゆる反対派の張本人なる水戸の御隠居(烈....
「葉」より 著者:太宰治
タリアアトだって同じことなんだ。資本主義的経済社会に住んでいることが裏切りなら、
闘士にはどんな仙人が成るのだ。そんな言葉こそウルトラというものだ。小児病というも....
「俳句の精神」より 著者:寺田寅彦
、週末の休暇にすべてを忘却して高山に登る心の自由は風流である。営利に急なる財界の
闘士が、早朝忘我の一時間を菊の手入れに費やすは一種の「さび」でないとは言われない....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
拍手は自身および近隣の魂まで叩き潰しはしないかと思われた。かと思うと天眼をもって
闘士の行動をじっと見据える。 (「大阪朝日新聞」昭和五年八月) 真夏の言葉....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
、そんな興味はおくびにも出ない。単純な読者はややガッカリするのである。共産党の女
闘士が中心に出て来たり労働争議が取り扱われたりする(『上海』)、処が例えば『時計....
「辞典」より 著者:戸坂潤
それでもロシア社会民主党の第二回大会(一九〇三年)を経るまでは、この二人の代表的
闘士は恰も各々の分担を協定したかのように夫々政治闘争と理論闘争とを以て相寄りなが....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
。質素な襟飾をつけた謙遜な教授は尊敬すべきであるが、そのために舌端火を吐く街頭の
闘士を軽蔑することはできぬ。むしろわれわれが要望するのは最も柔和なる者の獅子吼で....
「怪しの者」より 著者:国枝史郎
下げた一梃の駕籠の前に、返り血やら自分の血やらで、血達磨のようになりながら、まだ
闘士満々としている、精悍そのもののような鶴吉が、血刀を右手にふりかぶり、左手を駕....
「独房」より 著者:小林多喜二
はこの手紙を見ると、思わず吹き出してしまった。ドストイエフスキーとプロレタリアの
闘士をならべる奴もあるもんでない、と思った。俺も昔その本を退屈しいしい読んだ記憶....
「母と娘」より 著者:岡本かの子
娘を危険な仕事につかせる事は堪えられないように感じた。まして自分の夫を奪った戦場
闘士の一員にすることなぞ………。スルイヤは娘が、一たん云い出した希望に向っていら....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
|搏闘して滅ぼさざれば止まなかった沼南は孤高清節を全うした一代の潔士でもありまた
闘士でもあった。が、沼南の清節は※袍弊袴で怒号した田中正造の操守と違ってかなり有....