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「防ぎ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

防ぎの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
―――――――― 相手の用意に裏をかかれた盗人の群れは、裏門を襲った一隊も、防ぎ矢に射しらまされたのを始めとして、中門《ちゅうもん》を打って出た侍たちに、や....
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
げく》、動くともなく動いている晩秋の冷《つめた》い空気を、外套《がいとう》の襟に防ぎながら、ふと中西屋《なかにしや》の前を通りかかると、なぜか賑《にぎやか》な人....
或る女」より 著者:有島武郎
後ろから葉子を抱きしめたその倉地が目ざめていた。怒《おこ》った野獣に見る狂暴な、防ぎようのない力があらしのように男の五体をさいなむらしく、倉地はその力の下にうめ....
或る女」より 著者:有島武郎
。恐ろしい吹き降りになっていた。車夫が片足で梶棒を踏まえて、風で車のよろめくのを防ぎながら、前幌《まえほろ》をはずしにかかると、まっ暗だった前方からかすかに光が....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
の中でも冒険的な気の荒い手合だった。彼らは顔にあたる焚火のほてりを手や足を挙げて防ぎながら、長雨につけこんで村に這入って来た博徒《ばくと》の群の噂をしていた。捲....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
去年の暮にも、隣家の少年が空気銃を求め得て高く捧げて歩行いた。隣家の少年では防ぎがたい。おつかいものは、ただ煎餅の袋だけれども、雀のために、うちの小母さんが....
海異記」より 著者:泉鏡花
を打ちはじめた昔から、がッきと鉄の楯を支いて、幾億|尋とも限り知られぬ、潮の陣を防ぎ止めて、崩れかかる雪のごとく鎬を削る頼母しさ。砂山に生え交る、茅、芒はやがて....
転機」より 著者:伊藤野枝
の場合、自分達の努力に幾十倍、幾百倍ともしれない世間に漲った不当な力に圧迫され、防ぎ止められて、一歩も半歩も踏み出すことはおろか、どうかすれば反対に、底の底まで....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
から逃げ出したので、ルムフォードが選挙公の代理として総指揮官となり、ミュンヘンを防ぎ、中立を厳守して、フランスオーストリア両軍とも市内に入れさせなかった。 そ....
妖怪学」より 著者:井上円了
えざれば、自然の勢い、そのもとに復するは必然なり。今、医家の療法は全くこの妨害を防ぎ、そのもとに復する自然の性を養成するにほかならず。かの薬石のごときも、ただそ....
妖怪談」より 著者:井上円了
たく、ついに非常なる苦痛と不愉快とを感ずるようになりましたから、どうかしてこれを防ぎたいものだといろいろ工夫をしたけれども、致し方がないので、呪咀や祈祷やなんぞ....
妖怪報告」より 著者:井上円了
た、ソクラテスの言わるるには、「人あり、その寝に就くに、数|壜に熱湯を盛り脚冷を防ぎけるに、その夜、エトナ山の噴火口辺りを徘徊したりと夢みし」と。そのエトナ山の....
迷信解」より 著者:井上円了
相を正すというは、夏すずしく冬暖かに、奥より勝手向きの便利をよくし、盗賊、火災の防ぎ方を設け、低地の所は出水の手当ていたし、小破れを繕い、火の用心を大切にして住....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
人の目に、その姿かたちが見えないのである。道をあるいていて、いきなりなぐられても防ぎようがない、というのだ。音もなく家に忍びこまれても、これまた、見えないのだか....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
半身殆ど船外に出し、左手を伸べて、綸を拇指と示指の間に受け、船底にかき込まるるを防ぎ、右手に玉網の柄を執りて、介錯の用意全く成れり。 漁史は、手応の案外強きに....