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防腐
「防腐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
防腐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
恰度満三年になりますが、その間完全屍蝋の研究が秘密に行われておりました。つまり、
防腐法と皮鞣法、それからマルピギ氏粘液網保存法とが、主要な研究項目だったのですよ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
統の取り調べは、既に日も暮れた事ですから明朝でなくては行われません、依って充分に
防腐などの手数をも盡くして置きました」余「今夜誰にか番をさせましょうか」探偵「ハ....
「子猫」より 著者:寺田寅彦
絆をはいたように黒くなっている。 このあいだじゅう板塀の土台を塗るために使った
防腐塗料をバケツに入れたのが物置きの窓の下においてあった。その中に子猫を取り落と....
「B教授の死」より 著者:寺田寅彦
計らいでM大学の解剖学教室でそれを預かることになった。 同教室に運ばれた遺骸に
防腐の薬液を注射したのは、これも今は故人になったO教授であった。その手術の際にO....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
膃肭獣《おっとせい》のタケリ、すなわち牡具《ぼぐ》を明礬《みょうばん》で煮固めて
防腐し乾したのを売るを別段不思議と思わず。予が有名な漢方医家の本草品彙を譲り受け....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ば全く望まれない事でなかろうが、近頃ようやく出で来た無線電話、飛行船、ラジウム、
防腐、消毒、光線分析、エッキス光線くらいを、現代の七不思議として誇る(『ネーチュ....
「怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
ないか」 「なるほど、妙ですね」 「妙ではない、当然のことなのだ。わしの創案した
防腐剤の偉力は、このとおりじゃ。何なら、おまえにも、
防腐剤を注射してやろうか」 ....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
も外部を石造か金属性で被《おお》わなければならないかもしれないし、棺の中にも何か
防腐用剤を詰めて置く必要が出来るかもしれないが、かなり贅沢《ぜいたく》で費用がか....
「女性の諸問題」より 著者:倉田百三
して高まろうとするあるものを欠いた恋は低卑である。このあるもの、霊の酵母がないと
防腐剤がない肉のように、恋は臭いを発するようになる。情緒の過剰は品位を低くする。....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
行病をもたらさずにはおかない。貧弱な、寒い、人口稀薄な国では、これに反し、空気が
防腐的性質を有つので、食物の不足または不良から生ずる窮乏がかなり続いても、かかる....
「探偵小説の芸術性」より 著者:中井正一
似るであろう。それは、あたかもフォルマリンのように古きものの中に陶酔か、あるいは
防腐をほどこしつつある。 しかし、われわれはかのジャズの中に切れ切れにされたチ....
「虎」より 著者:岡本綺堂
だから堪らない。鯨は死ぬと直ぐに腐り出すということを由兵衛らは知らない。もちろん
防腐の手当なぞをしてある訳でもないから、この陽気で忽ちに腐りはじめて、その臭気は....
「リラの手紙」より 著者:豊田三郎
芳香に誘われて頼子に親しみを感じていく久能の心にひやりと冷たい氷をあてる、いわば
防腐剤であった。しかし久能はその封筒を、父の遺した螺鈿の文筥に大事げにおさめた。....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
運命に至るものと思うていたが、実に驚く可き進歩である。大革命とも名けられる位だ、
防腐法の発明によって、大家のピロウゴフさえも、到底出来得べからざることを認ていた....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
む薬は、ただ痛みを止めたり、胃腸の中の残留物を除いたり、あるいはその腐敗を止める
防腐剤などであって、特に胃腸そのものを良くするという薬は入っていません。そうやっ....