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「阻む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

阻むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
様を預言しているその一句は、誰の脳裡にもあることだったけれども、妙に口にするのを阻むような力を持っていた。続いて、引き摺られたように検事も復誦したのだったが、そ....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
その道を安定して歩むことを得るに至るまでには、われらの前に横たわってわれらの歩を阻む蹉きの石が多いことを感ずる。それらの石は外部の誘惑においてよりもわれらの内面....
今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
は労働し、同僚・上役との接触に揉まれ、技術上の問題、技術上の自己の創意性とそれを阻む諸事情を経験しつつある。かかる知識人の知識人である所以《ゆえん》は、単に技術....
作家に語りかける言葉」より 著者:宮本百合子
この著者の内にある、よいものが頂点まで育ち切っていないと云うことで、正当な成育を阻む性質のものがあるという意味ではないと思う。 多くの作家たちにも恐らくこの評....
両輪」より 著者:宮本百合子
て、わたしたちは新しい真実の解答を見いだし、民主主義文学理論が創作の溢れだす力を阻むというような誤った先入観をうち破らなければいけない。作品を書こうとするものを....
人間の結婚」より 著者:宮本百合子
門の首領たちの権威は、彼等のやり方と共に若い時代にとって重荷になってきた。発展を阻むものになってきた。近代の歴史の担当者として現れたブルジョアジーは、王権を否定....
キュリー夫人の命の焔」より 著者:宮本百合子
歳の彼女の心の中の考えはまだはっきりした形をとってこそいなかったが、人間の発達を阻むようないろいろの条件には決して屈伏しないで、一人でも多くの人々が充分の文化の....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いう気持、こういう気持のおもしろさ。 自分の主観的な一生懸命さでさえ、成長を阻むものとなり得るということは、一応も二応もわかって居て、岡目八目的にはわかって....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ます。 扉は開こうとし、しかし未だ開かれません。何が扉の蝶番《ちょうつがい》を阻むのでしょう。園の花の息づきはつよくあたためられた大気にあふれてもう扉を押すば....
鬱屈禍」より 著者:太宰治
あります。芸術が自由であれば、それだけ高く昇騰すると信ずることは、凧のあがるのを阻むのは、その糸だと信ずることであります。カントの鳩は、自分の翼を束縛する此の空....
性格を求む」より 著者:豊島与志雄
描きたいという志望が、作者たちに欠乏しているわけではあるまい。がその志望の実現を阻む障害が、手近なところにあるのではあるまいか。 * 文学が余りに....
一つの愛情」より 著者:豊島与志雄
引き寄せられながら、体は立ち止ったのである。彼女の極度な自己卑下には、なにか人を阻むものがあった。 紀美子の境涯も、次第にはっきりしてきたし、その人柄も特別な....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
こともあるけれど、それは無理強いに彼らを導くようでもあり、また妙に、口にするのを阻むような力を具えていた。 しかし、まもなく法水は、新しい莨に火を点じて、口を....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
分頃ではなかっただろうか。更に、その時計を進ませたと云うのには、何か幡江の追及を阻む意外にも、意味があるのではないだろうか――などと考えて来ると、法水の頭の中が....
墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
丸がおれの胸を射貫き、おそらく、五歩とは進ませまいが、しかし、おれの精神の飛躍は阻むことは出来ない。おれの肉体はぬかるみの舗石の上へ叩きつけられても、おれの精神....