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阿倍野
「阿倍野〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
阿倍野の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
幣を運転手の膝の上へ落し、何やら囁いた。 多鶴子はおやと思った。その瞬間、車は
阿倍野橋まで来たが、彼女の住居のある帝塚山へ行くべく右へ折れずに、不意に左へ折れ....
「世相」より 著者:織田作之助
はり焼けていた。焼跡に暫らく佇んで、やがて新世界の軍艦横丁を抜けて、公園南口から
阿倍野《あべの》橋の方へ広いコンクリートの坂道を登って行くと、
阿倍野橋ホテルの向....
「馬地獄」より 著者:織田作之助
な声で、針中野まで行くにはどう行けばよいのかと、紀州訛できいた。渡辺橋から市電で
阿倍野まで行き、そこから大鉄電車で――と説明しかけると、いや、歩いて行くつもりだ....
「葛の葉狐」より 著者:楠山正雄
一 むかし、摂津国の
阿倍野という所に、阿倍の保名という侍が住んでおりました。この人の何代か前の先祖は....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
色になっていて歯の間から舌の先を出しながら唸っていたそうです。そうして母は死に、
阿倍野の葬儀場へ送ったその足で、私は追われるように里子に遣られた。俄かやもめで、....
「郷介法師」より 著者:国枝史郎
「ははあ、ごもっともに存じます」 利休は始めて胸に落ちたのである。 大阪市外
阿倍野の夜は陰森として寂しかった。と、数点の松火の火が、南から北へ通って行く。同....
「室の中を歩く石」より 著者:田中貢太郎
大阪市住吉区
阿倍野筋一丁目に、山本照美と云う素封家の未亡人が住んでいた。其家には三人の子供が....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
小屋がけのストリップへお忍びの洋服族のところへはポンビキのオバサン連が忍びよる。
阿倍野。これもターミナルである。国際マーケットから飛田遊廓、山王町を通りぬけてジ....
「大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
阪は逞しいもんですよ」 と、さりげなく言って、嘯いておれるだろうか。 いつか
阿倍野橋の闇市場の食堂で、一人の痩せた青年が、飯を食っているところを目撃した。 ....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
うなずいて、 「帰れません」 小さな声で言った。 「どこか宿屋はないかな」 「
阿倍野の方へ行ったら、あるかも知れません」 娘が言った。大阪訛だった。 宿屋....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
ったじゃないか! 」 こう、梅田の馬さんが大きい声で尋ねた。夏の暑い日の午後、
阿倍野葬儀場はとくに暑い。市会議員の連中は休憩所の隅に陣取って、団扇や、扇子で凉....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
風の中を急いでいた。 といっても、覚一の盲の歩みに、足をあわせて。 「いまから
阿倍野、生野を歩いて、淀へ出るには大ごとです。夜が明ければ、出見ノ浜から難波へ通....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
たのである。 「これはおかしい」 逃げる楠木勢を追いまくして来た藤内左衛門は、
阿倍野の辺で、やっと気づいた。 脆すぎる? 「おおいっ、三河。ちと深入りだぞ。....