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阿房
「阿房〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
阿房の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
鬚につけて拭くウォッカを、どうかして水と間違えて飲んだのかもしれないぞ。イワンの
阿房《あほう》が取り片づけておかなかったため、ついうっかり飲んだのかも知れないて....
「心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
った。 「お前、江戸の女子《おなご》と心安うしなさんすな、よいかえ」 「なんの、
阿房《あほう》らしい」 ようよう起ち上がった六三郎のうしろ姿を見ると、お園は急....
「骨董」より 著者:幸田露伴
好いわけの物でもなく、大博物館だって盗賊の手柄くらべを見るようなものだが、そんな
阿房げた論をして見たところで、野暮な談で世間に通用しない。骨董が重んぜられ、骨董....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
身代を注ぎ込んだ出来の好い息子が、大学卒業間際に肺病で死んで了う。蜀山を兀がした
阿房宮が楚人の一炬に灰になる。人柱を入れた堤防が一夜に崩れる。右を見、左を見ても....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
岳までが、緑の奥行きを深くして、山の線が霧と霧の間に、乱れ打つ、椀を伏せたような
阿房峠まで、重たい水蒸気にのしかけられて、黯緑で埋まった森の中に、水銀が湛えられ....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
」 「そうどすか?」と、細君は亭主の方へ顔を向けた。 「まだ女房にしかられる様な
阿房やない。」 「そやさかい、岩田はんに頼んどるのやおまへんか?」 「女郎どもは....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
うな持遊び物を宝物呼ばわりをして、立派な侍の知行何年振りの価をつけ居る、苦々しい
阿房の沙汰じゃ。木沢殿の宝物は何か知らぬが、涙こぼして欲しがるほどの此老人に呉れ....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
少なくとも絶叫すべし、美人はすでに渠を知れり。且つその狂か、痴か、いずれ常識無き
阿房なるを聞きたれば、驚ける気色も無くて、行水に乱鬢の毛を鏡に対して撫附けいたり....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
まった面々は御免の勧化《かんげ》であり、縄衣裳《なわいしょう》の乞食芝居であり、
阿房陀羅経《あほだらきょう》であり、仮声使《こわいろづか》いであり、どっこいどっ....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
様子も、また襖がある。がたりと開ける、何もなくて少しも違わない部屋でありまする。
阿房宮より可恐しく広いやと小宮山は顛倒して、手当り次第に開けた開けた。幾度遣って....
「両面競牡丹」より 著者:酒井嘉七
―ええ、間違いなく、私ではございませんか……。 かようなことを申しますと、何を
阿房なことを、どうして、お前の他に、お前さんがありましょう。それは、他人のそら似....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
たると聾が聞かば音は異るまじきも変るは塵の世の虫けらどもが栄枯窮達一度が末代とは
阿房陀羅経もまたこれを説けりお噺は山村|俊雄と申すふところ育ち団十菊五を島原に見....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
夜にも似て、おおしく飛ぶのはただ信天翁だけである。) 信天翁は海鳥にして、俗称
阿房鳥という。洋語にてアルバトロスと呼ぶ。赤道をこえて以来、毎日この鳥の風浪の間....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
って来た、
忠実な皆のものに己は挨拶をいたす。
そこで賢者は己の傍に来ているが、
阿房はどういたしたのだ。
貴公子
只今お附申して参る途中で、殿様の袍の裾....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
い所を見つけたり、「要塞門より」とか、「前の家より」とか、「城の址より」とか、「
阿房宮より」とか、「隣り村より」とか、「吉田口より」とかいうふうにだんだん遠方か....