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「阿漕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

阿漕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二人小町」より 著者:芥川竜之介
行って下さい。わたしの召使《めしつか》いの女の中にも、同じ年の女は二三人います。阿漕《あこぎ》でも小松《こまつ》でもかまいません。あなたの気に入ったのをつれて行....
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
いごとは、反故《ほご》にはせまじと現《うつゝ》を抜かして通わせました。伊勢の海|阿漕《あこぎ》ヶ浦に引く網もたび重なればあらわれにけりで、何時《いつ》しか伯父様....
政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
て済まないと偶《たま》には何か奢ってやるね、度々《たび/\》行く様に成るとそこは阿漕《あこぎ》の浦に引網《ひくあみ》とやらで顕《あらわ》れずには居ない、其の番頭....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
出来ない。しかしいつの代にも横着者は絶えないもので、その禁断を承知しながら時々に阿漕の平次をきめる奴がある。この話もそれから起ったのです」 文久三年の五月なか....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
がいい。今にアッと云わせてやらあ」 「まあそう云わずと聞かせてくんな、一人占めは阿漕でやす」 「へ、またお決まりの芝居もどきか。うん一人占めと云われちゃ俺も何ん....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、高い車賃を、恐入って乗ろうというんだ。家数四五軒も転がして、はい、さようならは阿漕だろう。」 口を曲げて、看板の灯で苦笑して、 「まず、……極めつけたものよ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
を、その勘定を催促しても、わざと待たして持って来ません。これが、ぼると言います。阿漕な術です。はめられたんです。といううちに、朝直し……遊蕩が二度|振になって、....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
云うことは出来なかった。 「お八重さんばっかりに眼をとられて、あっしを見ねえとは阿漕ですねえ」 胡座から立て膝に直ったかと思うと、こう勘兵衛が冷嘲すように云っ....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
お狐様かな?」 「天狗様にしろお狐様にしろ、船大工ばかりに祟るなんて、どうでも阿漕というものだ」 「見ていや、今に、江戸中から、船大工の影がなくなるから」 「....
かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
ば厭でも開く鉢の梅殺生禁断の制礼がかえって漁者の惑いを募らせ曳く網のたび重なれば阿漕浦に真珠を獲て言うなお前言うまいあなたの安全器を据えつけ発火の予防も施しあり....
稀有の犯罪」より 著者:小酒井不木
から、無理もありません。 ところが、悪運が尽きたとでもいうのですか、それとも、阿漕が浦で引く網も度重なれば何とやらの譬か、警察ではやっとのことで、彼等の二つの....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
さん。おごれよ、なんだい!」と、セルゲイが食いさがる。 「なんぼなんでも、そりゃ阿漕だよ!」とフィオーナが思わず口走って、咎めるように頭をふり立てた。 「あんま....
雪柳」より 著者:泉鏡花
さがた生れ、きりょう好いのについ誘かされて、人目忍びて逢う瀬の数も、…… ――阿漕が浦の度かさなれば、おさだまりで、たちまち近所となりのうわさ、これも定まる処....
春泥」より 著者:久保田万太郎
いないさ。怖がっちゃァいないが、そうしなかったら、チョコのこったもの、どんなまた阿漕なことをいって来るか知れない。」 「いって来たっていゝじゃァねえか。――打捨....
雷門以北」より 著者:久保田万太郎
、矢っ張その主人が天ぷらの屋台を出すようになった。いい材料を惜しげもなく使うのと阿漕に高い勘定をとるのとでわずかなうちに仕出し、間もなく今度は、いまの「区役所横....