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「阿片〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

阿片の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
Kの昇天」より 著者:梶井基次郎
していたようですけれど。 K君は自分の影を見ていた、と申しました。そしてそれは阿片《あへん》のごときものだ、と申しました。 あなたにもそれが突飛でありましょ....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
是等の薬を呑んだかも知れぬと、取り出して埃を吹き払い、其の貼紙を見ると、一個は「阿片|丁幾《ちんき》(毒薬)」と記して有る、一個は「発病の際|頓服《とんぷく》す....
近時政論考」より 著者:陸羯南
ものなるにつき、もしその実践を誤れば名状しあたわざるところの争乱を醸すやあたかも阿片モルヒネに利用害用あるがごとし。 と。しかして当時民権を唱うる人々の内心を分....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
小間物屋喜助と宣って来た、三十がらみの若者が云った。「例の香具師を利用して、阿片をお城へ持たせてやりました」 「うむ然うか、それは可かった」殿と呼ばれる四十....
不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
アインシュタインの導き出したものであった。故にこの燻製肉を一度|喰えば、あたかも阿片において見ると同じ麻痺的症状を来し、絶対的人間嫌いが軟化し、相対的人間嫌いと....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
とりあげたのは、尤もなことであった。 今からちょうど百年前、英国は中国を相手に阿片戦争をおこしたが、この時たった一人の英人宣教師が殺されたのを口実として、あの....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
罪悪は芸術的だ。……そこでこういうことが云われる。完全の美とか最大級の美とかは、阿片のように罪なものだ。と」 その時一人のお小姓が、恭しく天目を捧げながら、襖....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
肥えた多血質の身体をしていた。おまけに、台詞以外には吃る癖もあり、かつは永らくの阿片吸飲者でもあって、皮膚にはどこか薄気味悪い――まるで象皮腫のそれのような浮腫....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
の、真中の辺りへ穴が開き、一人の女が現われた。 隣部屋へ通う隠し戸を開け、手に阿片の吹管を持ち、支那の乙女の扮装をした、若い女が現われたのである。 「阿片をお....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の論理には、ともかく中断が御座いませんわね。多分それで、庵主は一番いい夢を見る、阿片を造る積りだったのでしょう」 そして、智凡尼はゲラゲラ笑いながら、出て行っ....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
な室の態よ! ほんとに夢のような小さい室! その室を仄かに馨らせるものは、甘い阿片の匂いである。室を朦朧と照らしているのは、薄紫の燈火である。それは天井から来....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
りこれでしょう。 女は何の飾も無くなった素の手首を見せて ――だからあんたから阿片でも貰って、やけに呑んで見ようと思って。 小田島は苦笑し乍ら云った。 ――....
赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
の張さんという人とが連立って来訪した。そこで僕は一緒に出た。「張さんの知り合いの阿片窟へ行って見ましょう」とS記者が云う。 どんなに大衆作家としての僕の猟奇的....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
量に用うれば薬となる。語を換えてこれを言えば、少量は薬にして多量は毒なり。例えば阿片のごとし。世間これを毒物とするも、これを適度に用うれば薬物となり、もしその度....
西航日録」より 著者:井上円了
るを見ず。要するに、シナ人は飲酒をたしなまざるもののごとし。ただ飲酒の代わりに、阿片を喫するをもって無上の楽しみとするのみ。日本人は阿片の代わりに飲酒をたしなむ....