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附ける
「附ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
附けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
討取る気組みで、佳いものを仕入れてよ、一ツおいしく食わせてやろうと、汗みずくで駈
附けるんだ。醜女が情人を探しはしめえし、もう出来たよで断られちゃ、間尺に合うもん....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
。」 と、雑所も棒立ちになったが、物狂わしげに、 「なぜ、投げる。なぜ茱萸を投
附ける。宮浜。」 と声を揚げた。廊下をばらばらと赤く飛ぶのを、浪吉が茱萸を擲つ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
。 返す気で、在所をおっしゃるからは仔細はない、と坊さんがまた這出して、畳に擦
附けるように、耳を澄ます。と水兵の方は、真中で耳を傾けて、腕組をして立ってなすっ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
塞いで、風の中を俯向いて行く。……その女の案内で、つい向う路地を入ると、どこも吹
附けるから、戸を鎖したが、怪しげな行燈の煽って見える、ごたごたした両側の長屋の中....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
り。」 「燃えます、旦那、提灯を乱暴しちゃ不可ません。」 「貸しなよ、もう一服吸
附けるんだ。」 「燐寸を上げまさあね。」 「味が違います……酔覚めの煙草は蝋燭の....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
「えい、この辺に聖人と申す学校がござりまする筈で。」 「知らん。」と、苦い顔で極
附けるように云った。 「はッ、これはこれは御無礼至極な儀を、実に御歩を留めました....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
、城のその屋根の上へ、山も見えぬのに、鵺が乗って来そうな雲が、真黒な壁で上から圧
附けるばかり、鉛を熔かして、むらむらと湧懸って来たろうではないか。」 初阪は意....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
更を過ぎて、商人の灯がまばらになる頃は、人の気勢も近寄らない榎の下、お兼が店を片
附ける所へ、突然と顕れ出で、いま巻納めようとする茣蓙の上へ、一束の紙幣を投げて、....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
が風呂敷で提げたもんです。磯へ出ると、砂を穿って小さく囲って、そこいらの燃料で焚
附ける。バケツへ汐汲という振事があって、一件ものをうでるんだが、波の上へ薄りと煙....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
なぞえに、脇腹を反らしながら、ぐいと上げた手を、貴婦人の頸へ巻いて、その肩へ顔を
附ける…… その半裸体の脇の下から、乳房を斜に掛けて、やァ、抉った、突いた、血....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
をお有ち遊ばされた高い神様が、一｜足跳びに濃く鈍い物質の世界へ、その御分霊を植え
附けることは到底できませぬ。神界から霊界、霊界から幽界へと、だんだんにそのお形態....
「風波」より 著者:井上紅梅
だ」 この村には特別の習慣があって、子供が出来ると秤に掛け、斤目によって名前を
附ける。九斤老太は五十の年を祝ってから、だんだんと不平家になった。彼女はいつも若....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
様を見よ。見知らぬ？ ああ、これが問題となる言葉なのだ。われわれは生き物に番号を
附ける。その結果として、殺すことが犯罪になるのだ。生き物が生れ出ると、われわれは....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
ってみりゃ、盆も正月も一斉じゃ、無理はねえ。 それでは御免｜蒙って、私は一膳遣
附けるぜ。鍋の底はじりじりいう、昨夜から気を揉んで酒の虫は揉殺したが、矢鱈無性に....
「寺町」より 著者:岩本素白
て、この景色を眺めて居た。 昔東京では提灯｜引けといって、言わば狐鼠々々と取片
附けるというような葬いは、夜の引明けに出したものだそうであるが、それ程ではなくと....