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附着
「附着〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
附着の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
おっか》のような返事をする。肖然《そっくり》だ、今の声が。」 と膝へ抱く。胸に
附着《くッつ》き、 「台所に母様《おっかさん》が。」 「ええ!」と父親が膝を立て....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
町と聞いただけで、主税は素直に突立ち上る。お蔦はさそくに身を躱して、ひらりと壁に
附着いた。 「いえ、お嬢様でございます。」 「嬢的、お妙さんか。」 と謂うと斉....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
桜も、真紅な椿も、濃い霞に包まれた、朧も暗いほどの土塀の一処に、石垣を攀上るかと
附着いて、……つつじ、藤にはまだ早い、――荒庭の中を覗いている――絣の筒袖を着た....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
れつつ、巽に展けて海がある。その反対の、山裾の窪に当る、石段の左の端に、べたりと
附着いて、溝鼠が這上ったように、ぼろを膚に、笠も被らず、一本杖の細いのに、しがみ....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
地の舞扇まで開いている。 われら式、……いや、もうここで結構と、すぐその欄干に
附着いた板敷へ席を取ると、更紗の座蒲団を、両人に当てがって、 「涼い事はこの辺が....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
女房のあとを、すたすたと跣足の砂路。 ほこりを黄色に、ばっと立てて、擦寄って、
附着いたが、女房のその洋傘から伸かかって見越入道。 「イヒヒ、イヒヒヒ、」 「こ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
そと四五尺離れた処を、ずっと前方まで附添ったんだ。腰附、肩附、歩行く振、捏っちて
附着けたような不恰好な天窓の工合、どう見ても按摩だね、盲人らしい、めんない千鳥よ....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
書いた字が宙に出て、白い四角な燈が通る、三箇の人影、六本の草鞋の脚。 燈一つに
附着合って、スッと鳥居を潜って来たのは、三人|斉しく山伏なり。白衣に白布の顱巻し....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
筋や袖をしなり、くなり、自由に揉まれながら、どうだい頬辺と膝へ、道士、逸人の面を
附着けたままで、口絵の色っぽい処を見せる、ゆうぜんが溢出るなぞは、地獄変相、極楽....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
で見た日には、気絶をしないじゃ済むまいけれど、伊勢というだけに、何しろ、電信柱に
附着けた、ペンキ塗の広告まで、土佐絵を見るような心持のする国だから、赤い唐縮緬を....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
みて可いのじゃけれど、それでは余り賢人めかすようで、気咎がするから、成るべく餌も
附着けて釣る。獲物の有無でおもしろ味に変はないで、またこの空畚をぶらさげて、蘆の....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
へ莟を持つのは他の百合も違いはない。花弁は六つだ、蕊も六つあって、黄色い粉の袋が
附着いてる。私が聞いたのはそれだけなんだ。西洋の書物には無いそうで、日本にも珍ら....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
るのに、はらはらと、慌しく踵を返すと、坂を落ち下りるほどの間さえなく、帯腰へ疾く
附着いて、ぶるりと触るは、髪か、顔か。 花の吹雪に散るごとく、裾も袖も輪に廻っ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ビーもこの発見の記事を読んで、早速実験に取りかかり、電流の通れる針金に横に鉄粉の
附着することを確めた。 この時代は、ニュートンの引力説が全盛の時代であったから....
「活人形」より 著者:泉鏡花
れとは言わぬ。そん代に貸した金千円、元利揃えてたった今貰おうかい。と証文|眼前に
附着くれば、強情我慢の得三も何と返さん言葉も無く困じ果ててぞいたりける。 高田....