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降りる
「降りる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
降りるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
も、午前は八時発の下《くだ》り列車に乗り、午後は四時二十分着の上《のぼ》り列車を
降りるのを常としていた。なぜまた毎日汽車に乗ったかと云えば、――そんなことは何で....
「少年」より 著者:芥川竜之介
んに――優しいお母さんにおなりなさるでしょう。ではお嬢さん、さようなら。わたしの
降りる所へ来ましたから。では――」
宣教師はまた前のように一同の顔を見渡した。....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
」と読み、真面目《まじめ》に不思議《ふしぎ》がったものである。)それから左は下へ
降りる階段、右は直《すぐ》に硝子《ガラス》窓だった。彼は焼パンを齧りながら、時々....
「或る女」より 著者:有島武郎
ょっと挨拶《あいさつ》を残して、すぐ事務長のあとに続いた。階子段《はしごだん》を
降りる時でも、目の先に見える頑丈《がんじょう》な広い肩から一種の不安が抜け出て来....
「或る女」より 著者:有島武郎
手をしながら、
「これであすこに大丈夫着いてくださりさえすればわたしは重荷が一つ
降りると申すものです。しかしこれからがあなたは御大抵《ごたいてい》じゃこざいませ....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
んどう》の花の美しいのを五六本見つけて帰ってきた。帰りは下りだから無造作に二人で
降りる。畑へ出口で僕は春蘭《しゅんらん》の大きいのを見つけた。 「民さん、僕は一....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
るというような事にはゆかない。自分は続く人の無いにかかわらず、まっすぐに停車場へ
降りる。全く日は暮れて僅かに水面の白いのが見えるばかりである。鉄橋の下は意外に深....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
靴の中へ。この燃草は利が可かった。※と煙が、むらむらと立つ狼煙を合図に、二階から
降りる気勢。飜然路地へお蔦が遁込むと、まだその煙は消えないので、雑水を撒きかけて....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
そこまで上昇し、その水素を吸い込んでこれを動力とすれば、どこまでも飛べる。そして
降りるときには、その水素を吸い込んで来て、次に飛び上がるときにこれを使用する。こ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
へござって、唐突の山仏に胆を潰すと申します。 其処を山続きの留りにして、向うへ
降りる路は、またこの石段のようなものではありません。わずかの間も九十九折の坂道、....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
よ。……貴方もきっとあの人たちに二度とつき合っては不可ません。」 裏崕の石段を
降りる時、宗吉は狼の峠を越して、花やかな都を見る気がした。 「ここ……そう……」....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
着く。 空いた電車が五台ばかり、燕が行抜けそうにがらんとしていた。 乗るわ、
降りるわ、混合う人数の崩るるごとき火水の戦場往来の兵には、余り透いて、相撲最中の....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
い柄を、耳の尖に、?のように、振向いて運転手が、 「どちらですか。」 「ええ処で
降りるんじゃ。」 と威圧するごとくに答えながら、双手を挙げて子供等を制した。栗....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
地へ来ると、自然と其処に止まってしまう。と同時に土工たちは、身軽にトロッコを飛び
降りるが早いか、その線路の終点へ車の土をぶちまける。それから今度はトロッコを押し....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
が、年も二ツ三ツ、肩のあたりに威が出来て、若い女主人のように見えた。 二階から
降りる跫音を、一ツ聞いて愛の奴、慌てて膚を入れたのはいうまでもない。 「愛吉、」....