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限り
「限り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
限りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
3
「目金を買っておかけなさい。お父さんを見付《みつけ》るには目金をかけるのに
限りますからね。」
「僕の目は病気ではないよ。」
14
....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
り聞き惚《ほ》れるのですから、あの狡猾《こうかつ》な土蜘蛛も、心を動かさないとは
限りません。そこで髪長彦は勇気をとり直して、吠えたける犬をなだめながら、一心不乱....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
んだ。何、あの女と別れるくらいは、別に何とも思ってはいません。が、わたしは出来る
限り、あの女の教育に尽して来ました。どうか何事にも理解の届いた、趣味の広い女に仕....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
刈ったり、幸福にその日を送っていた。勿論そう云う暮しの中にも、村人の目に立たない
限りは、断食や祈祷《きとう》も怠った事はない。おぎんは井戸端《いどばた》の無花果....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
の御憤《おいきどお》りもある事と申し、さような輩を斬ってすてるものが出ないとも、
限りませんな。」
伝右衛門は、他人事《ひとごと》とは思われないような容子《よう....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
愛するのか。あのどちらかと言えば、泥濁《どろにご》りのした大川のなま暖かい水に、
限りないゆかしさを感じるのか。自分ながらも、少しく、その説明に苦しまずにはいられ....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
欲《しょくよく》が進まない、熱が高まると言う始末《しまつ》である、しのは力の及ぶ
限り、医者にも見せたり、買い薬もしたり、いろいろ養生《ようじょう》に手を尽した。....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
うそ》をつけ。――だがもう海水浴もおしまいだな。」
渚《なぎさ》はどこも見渡す
限り、打ち上げられた海草《かいそう》のほかは白《しら》じらと日の光に煙っていた。....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
かない。お前はおれの言いつけに背いて、いつも悪事ばかり働いて来た。おれはもう今夜
限り、お前を見捨てようと思っている。いや、その上に悪事の罰を下してやろうと思って....
「墓」より 著者:秋田滋
声は、わたくしの心を奪うのでした。彼女のからだ全体が、それを見ているわたくしに、
限りない悦びを催させるのでした。わたくしにはまた、どうしても初めて会ったという気....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
いつ終るとも見えぬながいながい接吻、あの接吻こそやがて女のすべてを我が物にする、
限りない幸福に一切のものを忘れさしてしまうのだ。 こうした遠く過ぎ去った旧い愛....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
も、海軍省や内務省等から学問上の事を問い合わせに来るようなことがあると、力の許す
限りは返答をした。一八三六年からは、灯台と浮標との調査につきて科学上の顧問となり....
「寡婦」より 著者:秋田滋
ほどまでに、恋愛というものがこの一家の伝統になっていたのです。こと、情熱に関する
限り、彼女たちはどのような事が起ろうと驚きもしなかったのです。彼女たちの前で、誰....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
がついた。庭のなかを探してみたが、やッぱりいない。そこで父親は道ばたに出て、声を
限りに呼んだ。 「ジャン! ジャーン!」 もう暮色が蒼然とあたりに迫っていた。....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
パを横切り、その昇降口から眺めてみよ。ひと、ひと、ひと、どこまで行っても人だ。数
限りない見知らぬ人が、野にも町にも、うようよと動いている。そこには耕すことしか知....