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陣中
「陣中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
陣中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
に伝えられる小西行長《こにしゆきなが》の最期である。行長は勿論征韓の役《えき》の
陣中には命を落さなかった。しかし歴史を粉飾《ふんしょく》するのは必ずしも朝鮮ばか....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
した薄日の光に、飾緒《かざりお》の金《きん》をきらめかせながら。
三
陣中の芝居
明治三十八年五月四日の午後、阿吉牛堡《あきつぎゅうほう》に駐《と....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
く》の軍に将として、将軍家|御名代《ごみょうだい》の旗を、天草《あまくさ》征伐の
陣中に飜《ひるがえ》した。その名家に、万一汚辱を蒙らせるような事があったならば、....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
て、ファディラの率いるアラビアの騎兵が、エルヴァンの市《まち》を陥れた時に、その
陣中に現れて、Allah akubar(神は大いなるかな)の祈祷を、ファディラと....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
その法螺貝を取って、馬上で高くふき立てると、それが北風に冴えて、味方は勿論、敵の
陣中までもひゞき渡る。明の三十万騎は先ずこれに胆をひしがれて、この戦いに大敗北を....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
にも行かない。それがために、軍隊側にも困ることがあり、記者側にも困ることがあり、
陣中におけるいろいろの挿話が生み出されたようでした。 明治三十三年の北清事件当....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
後であって、彼がいかにして甲冑を着したかという点にも、北条流吊具足早着之法などの
陣中心得は、無論この場合問題ではない。とうてい他人の力を藉りなければ、非力病弱の....
「大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
の折から損ずるだろうと云うので、家康に抜露しなかった。所がその夜、井伊|掃部頭の
陣中にいた女が、痞おこり譫言を口走る。「我も一手の大将なり。然るにわが首の何とて....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
此の年の三月十九日には、鞍馬|毘沙門の化身と世人に畏怖せられて居た宗全も、本当に
陣中に急逝したのである。 宗全の死に後れること約二ヶ月、細川勝元も五月二十二日....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
と笑いながら、 「おい、まだここには、こんな素晴らしい逸品があるんだぜ。どうだ、
陣中見舞として、一杯いこう」 と、コップをとって私にすすめる。 私は酒の入っ....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
方の屋敷にもそれ相当の格式がある。殊にかような太平の御代となっては、いつもいつも
陣中のような暮しもなるまい。荒くれ立った男共ばかりでは、屋敷内の掃除も手が廻らぬ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
至極大ものを膝の上。両手を鍔の下へ、重々しゅう、南蛮鉄、五枚|錣の鉢兜を脱いで、
陣中に憩った形でござったが、さてその耳の敏い事。 薄い駒下駄運びは軽し、一面の....
「風呂を買うまで」より 著者:岡本綺堂
甕から首を出して鼻唄を歌っていると、まるで狐に化かされたような形であるが、それも
陣中の一興として、その愉快は今でも忘れない。甕は焼物であるから、湯があまりに沸き....
「はなしの話」より 著者:岡本綺堂
浄に出来ているので、私たちは喜んでそこに一月ほどを送った。 先年の震災で当時の
陣中日記を焼失してしまったので、正確にその日をいい得ないが、なんでも九月の二十日....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
憂うべき状態に陥っている。悪天候が軍の活動を困難ならしめている。そしてダブリンの
陣中会議は、再び、断々乎としてアルスタアの攻撃力を拒否するというのである。エリザ....