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陰気臭い
「陰気臭い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
陰気臭いの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あやかしの鼓」より 著者:夢野久作
この鼓を打ち砕いて私たちの先祖の罪と呪いをこの世から消し去ります。そうしてあんな
陰気臭い伝説にまつわられない明るい自由な世界に出ようではありませんか」 「ま嬉し....
「山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
…」 ここまで尋ねて来るうちに吾輩はヤット気が付いた。どうも最前からの話ぶりが
陰気臭い。怪訝しい怪訝しいと思ったが、この男の過去には何か暗いところがあるらしい....
「わが町」より 著者:織田作之助
、〆団治が答えた。 「――若夫婦のところへ、こんな老いぼれの他あやんが居てみイ。
陰気臭いやら邪魔ややら」 〆団治は口が悪かったが、他吉は今夜は怒らなかった。ふ....
「幽霊と推進機」より 著者:夢野久作
。むろん船長の見込だけあって、腕は相当に立つし、温柔しくもあったが、しかし、その
陰気臭い、妙に気取った二人の姿を見た最初から、水夫長は何となく「虫が好かない」と....
「人間腸詰」より 著者:夢野久作
タ一つ眼に残っているのはあの鉛色の水銀燈のイヤアな光りだけなんで……まったくあの
陰気臭い生冷めてえ光りばっかりは骨身に泌みて怖ろしゅうがしたよ。ネオン・サインが....
「温泉」より 著者:梶井基次郎
を出している赤犬に至るまで。 しかし向かいの百姓家はそれにひきかえなんとなしに
陰気臭い。それは東京へ出て苦学していたその家の二男が最近骨になって帰って来たから....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
」 軒端《のきば》から天を仰いで独言《ひとりごと》。 なるほど、今日は朝から
陰気臭い日和《ひより》であった、関の小万《こまん》の魂魄《こんぱく》が、いまだに....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
そのお方はあの、染井の殿様ではございませんか」 「染井……染井の化物屋敷、こんな
陰気臭いところへ、誰が連れて帰った……」 主膳は切れ切れにこう言って唸りました....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
彼に、父に逢えるという大きな楽しみがなかったとしたら、彼はわざわざ四里もの道を、
陰気臭い家までやって来て、祖母の顔を見る気には、まだなかなかなれなかったであろう....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
た。
俯向いて、廊下から、持仏の間へ入って来た斉興に、お由羅が
「ま、かような
陰気臭いところへ――」
と、いつものように、媚びた眼で見上げる顔へ、ちらっと、....
「後の日の童子」より 著者:室生犀星
らしていた。 「おいくつですか。」 「七つです。」 子供は、おとなの話をむしろ
陰気臭い目をして、直覚的に自分の身の上に話がはこばれているのに、注意深くなってい....