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陲
「陲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
陲の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
からちょうど九年目の春を、彼は福岡の城下に迎えた。本土を空しく尋ね歩いた後に、辺
陲《へんすい》の九州をも探ってみる気になったのである。 福岡の城下から中津の城....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
どの古今来《ここんらい》の猫であれば、非常に大事な身体である。千金の子《し》は堂
陲《どうすい》に坐せずとの諺《ことわざ》もある事なれば、好んで超邁《ちょうまい》....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
であった。陪臣の身をもって、北条義時は朝廷を攻め、後鳥羽、土御門、順徳三上皇を僻
陲の島々に遠流し奉ったのであった。そして誠忠奉公の公卿たちは鎌倉で審議するという....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
っている。安房は国史にはかなり古いが、徳川氏が江戸を開く以前は中央首都から遠い辺
陲の半島であったから極めて歴史に乏しく、したがって漁業地としてのほかは余り認めら....
「慶応義塾の記」より 著者:福沢諭吉
しこの時といえども、通商の国は和蘭一州に限り、その来舶《らいはく》するや、ただ西
陲《せいすい》の一長崎のみなれば、なお書籍のとぼしきに論なく、すべて修学の道、は....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
情に暗い事から、ツァンニー・ケンボに欺かれてロシアは真に仏教国でその皇帝は菩提薩
陲、塵謌薩
陲であると信じて居るという話を致しますと、司令長官は「この秘密条約はチ....
「西航日録」より 著者:井上円了
ューヨークよりボストン行きの途上、うそぶくこと左のごとし。 昨夜辞新府、今朝到北
陲、車窓何所見、草野緑無涯。 (昨夜|新府を離れて、今朝は北辺の地に至る。車窓か....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
に浮んだのは、旧友森山の事だった。森山は自ら責任者として、オホーツク海の見える辺
陲の山奥で創業の事にあたっている筈だった。私はその鉱山へ出かけて、鉱山生活者の今....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
雪上ニ橇《そり》ヲ走ラシ犬鹿ヲ駆使シ重《おもき》ヲ引キ遠《とおき》ニ致ス 故ニ北
陲《ほくすい》雪|多《おおき》モ害ナク利アリ 第六 其《その》質ノ軽キ毳《にこげ....