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「陳列棚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

陳列棚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
篤介《あつすけ》の姿は生憎《あいにく》この部屋には見当らなかった。広子はちょっと陳列棚の硝子《ガラス》に彼女の髪形《かみかたち》を映して見た後《のち》、やはり格....
あらくれ」より 著者:徳田秋声
くず》の散らかった土間のじめじめしているようなその店へ、二人は移りこんで行った。陳列棚などに思わぬ金がかかって、店が全く洋服屋の体裁を具《そな》えるようになるま....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
」と言い、これは柳吉のことを褒《ほ》めたつもりだった。襷《たすき》がけでこそこそ陳列棚《ちんれつだな》の拭《ふ》き掃除をしている柳吉の姿は見ようによっては、随分....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
ある。 さるにても、山川の美しさは、春や秋のは言わばデパートメントの売り出しの陳列棚にもたとえつべく、今や晩冬の雪ようやく解けて、黄紫赤褐にいぶしをかけし天然....
丸善と三越」より 著者:寺田寅彦
来る。ある人のいうようにあさましいなどという感じは自分には起こらない。呉服売場や陳列棚の前で見るような恐ろしい険しい顔はあまりなくって、非常に人間らしい親しみの....
田園雑感」より 著者:寺田寅彦
。 簡単な言葉と理屈で手早くだれにもわかるように説明のできる事ばかりが、文明の陳列棚の上に美々しく並べられた。そうでないものは塵塚に捨てられ、存在をさえ否定さ....
読書の今昔」より 著者:寺田寅彦
店に注文すると二か月以上もかかる。そうして注文部と小売部と連絡がないためか、店の陳列棚にそれが現存していても注文した分が着荷しなければ送ってくれなかったりする。....
錯覚数題」より 著者:寺田寅彦
。 これとはまた少し趣のちがった「捜すものは無い」場合がある。 大きな書店の陳列棚をひやかしていると、実にたくさんの本がある。俳句の本、山登りの本、唯物論的....
金属人間」より 著者:海野十三
、右の壁とが、陳列室よりも、もっとひろい棚《たな》があり、まえにドアつきの四角い陳列棚《ちんれつだな》が、それぞれ小さい番号札をつけて、整然とならんでいた。壁の....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
て次の尖端の邪魔をする訳である。 私は芸術家が宝玉と化けた時、これを何か適当な陳列棚へ集めて、尖端の大競争場裡から救い上げて見度いと思う。でないと、全く球場に....
郷土的味覚」より 著者:寺田寅彦
につれて都会と田舎の距離は次第に短縮する。今ではたいていの田園の産物もデパートの陳列棚で見られるのであるが、それでもまだ楊梅や寒竹の筍は見られない。菱や色々の樹....
川端柳」より 著者:豊島与志雄
る大きな呉服屋にはいっていった。やはり誰もいなかった。がらんとした明るい広間に、陳列棚が縦横に並んでいた。その棚に堆高く積んである布の中から、よさそうなのを選ん....
ある日の経験」より 著者:寺田寅彦
取り下ろして値段をきいてみると六円だという。骨董品というほどでなくても、三越等の陳列棚で見る新出来の品などから比較して考えてみても、六円というのはおそらく多くの....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
がって見た。 私は又おどろいた、伯母は知ってるのだ、そして鶴子というんだ。私は陳列棚の所に立ってそっと見ていた。 そのショールに決めて、通い帳に書いて貰う間....
真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
尺ばかりの所を館の周囲をとりまいて居る一連の明りとり窓の一つで、壁際にある一列の陳列棚は九尺であるから、その頂部より尚六尺の上に開かれて居る。 「そうです。私が....