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陳情
「陳情〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
陳情の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「作家の手帖」より 著者:太宰治
に気の毒である。一年にいちどの逢う瀬をたのしもうとしている夜に、下界からわいわい
陳情が殺到しては、せっかくの一夜も、めちゃ苦茶になってしまうだろうに。けれども、....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
。彼等はそのことのために、居留民団で会議を開いた。二人の選ばれたものが、領事館へ
陳情に出かけた。小金をためこんでいる者も、すっからかんのその日暮しの連中も、同様....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
きた。半蔵は三十一字の短い形の歌ばかりでなく、時おりは長歌をも作ったので、それを
陳情|祈祷の歌と題したものに試みたのである。 「いよいよ半蔵もお出かけかい。」 ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
に於てはまた、大多数を以て墓地排斥の建議案を通過するぞと意気込む。それから連判の
陳情書を東京府庁へ出すとて余にも村民の一人として賛成を求めて来た。昨朝の事である....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
となった菊池武夫氏である)は、謡曲(蝉丸)の不敬を指摘して内務省図書課に廃曲方を
陳情した。その結果蝉丸は謡曲としても能としても一時上演禁止となったらしい。日本の....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
いては丸之内署かどこかから、適当な弁明があることと思う。 数日後公娼廃止反対の
陳情で、女郎屋の亭主達三百名が内務省と警視庁に押しかけたが、これは別に負傷者を出....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
髄に徹している。なんでも寄合って、この長浜へその到着するのを見計らい、思い切って
陳情してみるのだということだ」 「うーむ、それだな、さっきあの舟で、人が続々と向....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
が事件のはじまりだ。 主人と女中の報告をきいて、全従業員は結束して、隔離反対を
陳情した。赤城先生がシサイに全身検査をして、チブスの疑いなしと診断したのだから、....
「巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
「どう考えて見ましてもこのお申出についてはあなたのお顔を立てかねますな。但、御
陳情によりまして以後、唄うたいの新出願者は決して許可しないことにいたしましょう。....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
オタツに有利でないことをきいて、オタツの亭主のカモ七が菅谷巡査につれられて警察へ
陳情にきた。カモ七を見ると探偵たちは異様の感にうたれた。カモ七の目は流れていなか....
「母たち」より 著者:小林多喜二
らお互いに元気をつけ合ったり、親密な気持を取り交わしたり、これからの連絡や対策や
陳情、そういう事について話し合おうということになった。皆も賛成だった。窪田さんは....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
際困ったことだ。もっとも、困るといっても、これまでは大したこともなかった。血書の
陳情をしたという以外に、まだこれといって不穏な言動があったということもきいていな....
「瘤」より 著者:犬田卯
ちゃならん……」 そして時計を見た。 「なんだね、今日は……」 「例の、それ、
陳情さ――また、畜生、東京行だ。毎日々々、いやんなっちまう。」 のっしのっしと....
「城」より 著者:カフカフランツ
すれちがって歩けるくらいの広さですが、それが役人たちの部屋なんです。広いほうは、
陳情者や見物人や従僕や使者などの部屋です。机の上にはページを開いて、大きな本が並....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
関心である。そうしながら、頭と顔は床屋に任せ、目は手紙の上にさらし、耳は請願者の
陳情に傾けている」そんなふうで、なにを着たかも知らずに外套をあわただしく引っ掛け....