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「陳謝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

陳謝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ました」 「それは、よかった――」 司令官は、沈痛な面持をして、遥かな地点に、陳謝と祈りを、捧げるもののようであった。そういえば、湯河原中佐が、秘かに、司令官....
碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
しくも一国の廟臣に対して侮辱もまた甚しいわけである。成竜は大事の前の小事と忍んで陳謝したが、国事のついに茲にまで至った事を思うと、覚えず流涕せざるを得なかったと....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
よびその同伴者なる久世大和の二人は退却を余儀なくされた。天朝に対する過去の非礼を陳謝し、協調の誠意を示すという意味で、安藤久世の二人は隠居|急度慎みの罰の薄暗い....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
た。それにはこの事件の本犯者を厳罰に処して将来の戒めとする事、日本政府はよろしく陳謝の意を表する事とを条件とした。 やかましい三宮事件もこんなふうで、一気に解....
惜別」より 著者:太宰治
る時には、仙台医専の不名誉は言うもさらなり、わが文部省、外務省も、清国政府に対し陳謝しなければならなくなるやも計り難い。実に、日支親善外交に、一大汚跡を、踏み残....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
とをいうね、君は」と、伯爵の額には青筋が太く出た。 「いや、これは御無礼を。平頭陳謝仕りまする。しかし正直なところ、鈍なる天門堂には皆目わけが分りませんので。御....
酒ぎらい」より 著者:太宰治
イキになりかけたとき、その教師が、私たちの教室にこっそりやって来て、どもりながら陳謝した。ストライキは、とりやめとなった。A君とは、そんな共通の、なつかしい思い....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
旅館で一家心中していることを知らなかった。亭主と細君は各々の一方に宛てゝ、一人は陳謝の遺書を、一人は諌言の遺書をのこして、同じ晩に、別々に死んだのである。 偶....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
られては無益に千余円の損失を見るわけだ。さすがに砂糖商の苦肉の策と察してただちに陳謝し、囮の特価販売を中止する代りに、砂糖店側でも一千箱の予約註文だけは取り消し....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
れが部下の過失であっても、自分はその部の長であるから、責任を負うて、部下に代って陳謝すべきであります。職長の中にはこれの出来ない人があって、往々部下に全責任を負....
次郎物語」より 著者:下村湖人
否定が真実であれば、ぼくが二の句がつげないのは当然なことで、ぼくはただ君に対して陳謝するほかはない。しかし、万一にも、ぼくの心配があたっているとすると、ぼくが二....
競漕」より 著者:久米正雄
「癪だなあ! 畜生」と誰れかが怒鳴った。久野は皆の前で、「済まない、済まない」と陳謝した。しかし皆の心の中では誰れもこれを「敗ける前兆じゃあるまいか」と考えて黙....
作画について」より 著者:上村松園
もないから朝のうちに来て直して下さい」 との挨拶でした。それだけ言ったきりで、陳謝の意も表さず、責任のない顔をしているのが私には気に入りませんでした。亀遊をか....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
わけではない。今回も上京すると、すぐ青山の団十郎の墓にまいって、先年の行き違いを陳謝して来たというのである。その理非曲直はいずれにあるか判らなかったが、とにかく....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
がわざわざ来訪して全く部下の一時の誤解であったから何分穏便にしてくれと平詫まりに陳謝して、事件は何でもなく容易に落着したが、詰らぬ事で飛んだ目に会った。二葉亭が....