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陶土
「陶土〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
陶土の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
るかね。鬱蒼とした樅林の底で、氷蝕湖の水が暗く光っているのだ。それが、群青を生の
陶土に溶かし込んだような色で、粘稠と澱んでいる。その水面に、※の背ではないかと思....
「旅愁」より 著者:横光利一
ら浮んで来た。
山上に立つと明るい南仏の風景は一望のもとに見渡された。灰白色の
陶土のように滑かな地の襞に、ところどころに塊り生えた樹の色は苔かと見える。海は藍....
「空想日録」より 著者:寺田寅彦
、そこでなんとか焼きの陶器を作る過程の実演を観覧に供していた。回転台の上へ一塊の
陶土を載せる。そろそろ回しながらまずこの団塊の重心がちょうど回転軸の上に来るよう....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
せんと欲するものを頑にし、順にせんと欲するものを順にす」といっている。あたかも「
陶土師は
陶土をもて、ある器は尊くある器は卑しく作るがごとくに」被造物としての人間....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
杯酒の趣に添わないやつだ――酒中の趣というものは、一陶の酒といって、すっきりした
陶土の器でなければ……なんぞと小言を言いながら、それでも、チビリチビリと飲むには....
「素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
なかった。当時翁は志野の本場|大萱から、その昔、志野に用いたかもしれぬと思われる
陶土を手にしていられたことである。この
陶土の入手に翁がいかに苦心を払われたかには....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
は今も衰えません。歴史は甚だ遠く近在に多くの窯場を産みました。それというのも良い
陶土を近くに得られるからであります。瀬戸の周囲には品野、赤津などの窯があり、この....
「増長天王」より 著者:吉川英治
だだめだ若い奴らは、五年もこの山に棲むとカサカサになって寒巌枯骨のていたらくだ、
陶土に脂も艶気もなくなってくる。そんな野郎は茶人相手の柿右衛門の所へ行ッちまえ。....
「海にふぐ山にわらび」より 著者:北大路魯山人
のように、ふぐを食うことのできる人を私は真にうらやましく思う。 去る一月、私は
陶土の採取のために九州の唐津へ、そして天然のすっぽんの研究のために柳河へ行った。....