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陶物
「陶物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
陶物の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「山椒大夫」より 著者:森鴎外
海では漁《すなどり》をさせ、蚕飼《こがい》をさせ、機織《はたおり》をさせ、金物、
陶物《すえもの》、木の器、何から何まで、それぞれの職人を使って造らせる山椒大夫《....
「黒髪」より 著者:近松秋江
掃除をしているのとで何となく明るくて居心地が好さそうに思われる。座敷のまんなかに
陶物の大きな火鉢を置いて、そばに汚れぬ座蒲団を並べ、私の来るのを待っていたようで....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
見ると、五尺もある青大将が喉元を膨らして、そこらをのたうち廻って居る。卵の積りで
陶物の模型卵を呑んで、苦しがって居るのだ。折から来合わして居たT君が、尻尾をつま....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
ねばならぬ」
近づいて、抱きおこそうとするが、その手つきは、まるで、砕けやすい
陶物《すえもの》か、散りかけた花をでも取り上げようとするかのように、あぶなげだ。....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
た後、あらためて手にとって見直すことにした。 洗い清められた溺器の肌には、古い
陶物の厚ぼったい不器用な味がよく出ていた。愛撫に充ちた貞昌の眼は労わるようにその....
「文づかい」より 著者:森鴎外
というはイイダ姫なり。「いかで」といらえつつ、二足三足つきてゆけば、「かしこなる
陶物の間見たまいしや、東洋産の花瓶に知らぬ草木鳥獣など染めつけたるを、われに釈き....
「放浪作家の冒険」より 著者:西尾正
余地すらも、残っていないあんなところへ、だれがゆくものか。そのころおれは、Q街の
陶物屋のあたまのつかえそうな屋根裏に寝起をしていたが、窓からそとをのぞいてみると....
「童子」より 著者:室生犀星
肪の多い妻は生ぬるい白い乳をしぼっては、張ってくると肩が凝ってならないと言って、
陶物にしぼり込んでは棄てていた。少しくらいなら飲ませてもよいと云う樋口さんの説で....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
様に感ぜしめたのかもしれません」 「…………」 村重はまずい顔を作った。童女が
陶物煙管に南蛮の莨をつめて、さっきから恐る恐るさしのべていたが、それに眼を向けて....