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陶酔境
「陶酔境〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
陶酔境の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「振動魔」より 著者:海野十三
めた水管の味に正体を失わせるか、それとも夫人の安心をかちえたエクスタシーの直後の
陶酔境に乗じて、堕胎手術を加えようか、などと考えたけれど夫人はいつも神経過敏で、....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
ながら、清澄な湯槽にぐったりと身を横えたりする間の、疲れというか、あの一味放縦な
陶酔境といったものは、彼にとって、ちょっと金で買えない娯しみであったのだ。 陽....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
方の緞帳《どんちょう》役者がと、高をくくっていた人達までも迫力のある魔術のために
陶酔境に引き込まれて、われを忘れて、手を拍ち、声を揚げずにはいられなかった。
「....
「夢鬼」より 著者:蘭郁二郎
だった。が、葉子の美しい肉体の中には、黒吉の猛練習が生んだ、血と肉と骨の相尅する
陶酔境が、空を切る鞭の下に、生々しく甦えり、彼女を甘美な夢に誘うのだった。 そ....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
超人的な探求と実行とをもって臨み、毎夜のごとく魂を忘れたる人のように底しれぬ深き
陶酔境に彷徨しつづけるのであった。 「――いくら何でも、これでは生命が続かないよ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、およしなさいよ」とかなんとか、呼びかけなければならないところなのですが、米友が
陶酔境からついに三昧境に入るまでのかなり長い時間を、悠々とここにひとり遊ばせて置....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ことに、今晩もまた、無料無見物の中に、得意の秘術をほしいままに公開している、その
陶酔境の真只中へ、 「米友さん、わかりました」 弁信が、竹の小藪の蔭から抜から....
「陳情書」より 著者:西尾正
、体と云わず顔と云わず滅多矢鱈《めったやたら》に殴りつけました。寔にそれは忘我の
陶酔境でありまして、右手が疲れると左手に持ち直し、息の根絶えよと許りスティックの....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
が強くて魅力を持っているのであった。でその眼でみつめられた者は、一種の恍惚とした
陶酔境に、墜落しなければならないであろう。闇の中に一輪の白|芙蓉が咲き出て、そこ....