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険
「険〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
険の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
ならなかった。
四
お芳が泊りこむようになってから、一家の空気は目に見えて
険悪になるばかりだった。それはまず武夫が文太郎をいじめることから始まっていた。文....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
、自分の読本《よみほん》の悪評を聞くということは、単に不快であるばかりでなく、危
険もまた少なくない。というのは、その悪評を是認するために、勇気が、沮喪《そそう》....
「河童」より 著者:芥川竜之介
威厳を保ちながら、細い目をすさまじくかがやかせていました。僕は――僕ももちろん危
険を避けるためにトックを小楯《こだて》にとっていたものです。が、やはり好奇心に駆....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
のか。己《おのれ》に出でて己に返るさ。おれの方ばかり悪いんじゃない。」
牧野は
険《けわ》しい眼をしながら、やけに葉巻をすぱすぱやった。お蓮は寂しい顔をしたなり....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
た。自分はSさんを二階に招じ、火のない火鉢をさし挟《はさ》んで坐った。「生命に危
険はないと思いますが」Sさんはそう口を切った。多加志はSさんの言葉によれば、すっ....
「校正後に」より 著者:芥川竜之介
れても先生にほめられれば、それで満足だった。同時に先生を唯一の標準にすることの危
険を、時々は怖《おそ》れもした。
○それから僕はいろんな事情に妨げられて、この正....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
がら、小突くように兄を引き離した。すると兄の眼の色が、急に無気味《ぶきみ》なほど
険しくなった。
「好いやい。」
兄はそう云うより早く、気違いのように母を撲《ぶ....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
だいたい》の目鼻だちは美しいと言っても差支えない。いや、端正に過ぎる結果、むしろ
険《けん》のあるくらいである。
女はさも珍らしそうに聖水盤《せいすいばん》や祈....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
《こうでん》を会費に復活祝賀会を開いたそうである。もっとも山井博士の信用だけは危
険に瀕《ひん》したのに違いない。が、博士は悠然《ゆうぜん》と葉巻の煙を輪に吹きな....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
も普通の人間ではない。話すことと云い、話し振りと云い、その頃東洋へ浮浪して来た冒
険家や旅行者とは、自《おのずか》ら容子《ようす》がちがっている。「天竺《てんじく....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
の峰は、まだ雪をかぶった儘深谷を隔てているかも知れぬ。菊池の前途もこの意味では艱
険に富んでいそうである。巴里や倫敦を見て来た菊池、――それは会っても会わないでも....
「初雪」より 著者:秋田滋
んで来て、部屋という部屋のなかはそれで一ぱいになっているようである。敵のように陰
険で、しつッこく、烈しい力をもった透間風である。彼女はどこへ行っても、それに出ッ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
が、これは頗る臭い物である。臭い位はまだ可いとしても、塩化窒素の実験となると、危
険至極の代物だ。 三月初めに雇われたが、一月半も経たない内に、早くもこれの破裂....
「寡婦」より 著者:秋田滋
たらどうだと云いだした。が、ねッから面白い話も出なかった。男の猟人たちは射撃の冒
険談や兎を殺した話などをした。女連のほうも頻りに頭を悩ましているのだったが、千一....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
いう年寄りの怒りっぽいオランダ人の農夫から馬を借り、威風堂々とそれにまたがり、冒
険をもとめて旅立つ武者修行者よろしくのていで、駈けだした。ところで、わたしは当然....