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険路
「険路〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
険路の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ったものらしい。師走の四日か五日ごろにはすでに美濃と越前の国境にあたる蝿帽子峠の
険路を越えて行ったという。 「あの蝿帽子峠の手前に、クラヤミ峠というのがございま....
「先生への通信」より 著者:寺田寅彦
、一人で氷河を渡りました。いい心持ちでした。氷河の向こう側はモーヴェ・パーという
険路で、高山植物が山の間に花をつづり、ところどころに滝があります。ここから谷へお....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
ラッパのほかに兵隊の靴音がある。これがある時は石畳みの街路の上に、ある時は岩山の
険路の上にまたある時は砂漠の熱砂の上に、それぞれに異なる音色をもって響くのである....
「四月馬鹿」より 著者:渡辺温
で、遉に気を腐らしている雄吉君を従えて、長い長い桟橋を渡って、江の島の音に聞えた
険路を急ぎ足で一巡し、岩屋の奥迄尋ね尽したが、その甲斐もなかったのです。まさか宿....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
《きゃつ》らが!」 こんなことを口の中で呟いている。馬術は精妙、木立をくぐり、
険路を突破して走って来る。 やがて間もなくこの伝騎は昆虫館へ馳せ付けるだろう、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
えって面白いんでございますがね」 こんな話をしながら兵馬と七兵衛は、富士川岸の
険路を、前に言ったように西行越《さいぎょうご》え、増野《ますの》、切久保《きりく....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、ところがところですから、雪見に転ぶところまでというわけにも参りません、この深山
険路の山で転んでしまったらおしまいですね」 「風流も程度問題ですよ。だが、こうし....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
として始められたのでした。或る年の冬は雪沓を穿いて、吉備国から出雲国への、国境の
険路を踏み越える。又或る年の夏には焼くような日光を浴びつつ阿蘇山の奥深くくぐり入....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
物をしぼって叩きつけたようにぐったりとなっているわけ。
一昼夜、飲まず食わずに
険路十五里――それというのも、左膳の用命を大事にと思うよりは与吉としては正直、泰....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
い筈だ――牧の仕業としたなら――何んのために――誰《たれ》を――)
玄白斎は、
険路も、汗も感じないで、考えつづけた。
(もし、自分の考えが、当っていたとしたな....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
わゆる“和気ノ関”である。 播州赤穂郡から備前|三石に入る国境であり山陽道一の
険路でもあるので、ここでは源平争覇の時代から天下異変というとすぐ武族の充血や築塁....